天気予想では、あまりよくない空模様のはずでした。ま、雨さえ降らなければ儲けものという事でした――が、そんな心配はまったく無用だったのです。まさにどっかの和尚が嘆いていた『季ぃ違いじゃがしかたがない』の言葉を見事に具現しておりました。

ピーカーン!!!

まさにそう。これ以上ないという天気のよさです。となれば、当然、灼熱地獄は当りまえだのクラッカー!! しかし、ゲームが始まるまで、誰もその事に気づく者はいなかったのです――

 
 

見よこの天気のよさ。
これがすべての地獄の始まり(笑)

 

・・・ 閑 話 休 題 ・・・

 

今回は他チームさん主催の大型ゲームへの一般参加なので、集合時間が早い事。しかも遅刻はできないという厳しい条件(当たり前の事なのですが)に、前日徹夜の暴挙に出た一部の者たち。ダブルパンチのハイテンションです。なもんで、できもしない戦果を夢物語にでっち上げ、心配することはただひとつ。

「オットー(大人の力水=酒)いいのかなぁ」

ダメじゃん・・・・(苦笑)

てな事しているうちにも、最初の集合場所へと到着いたしました。いるいる、どう見ても同類なのがうようよと。物珍しげに眺めているときにダークエルフさんと出会いました。簡単に挨拶を済ますと、一足先に移動です。当然、場所なんて知りません。が、角々にスタッフの方がいるという事なので問題は無いでしょう。

「よっしゃ、その信号を曲がった次の角にいるって話だけどぉ――て、見えないぞっ!?」
「でも、何台もあそこ入って行くから、きっとそこじゃないの?」
「ま、行ってみればわかるでしょ」

そう、スタッフの方がいるというはずの場所に、遠目ではありますが誰の姿も見えなかったのです。けっこう立派な庭木の茂った白っぽい壁の家の前、そこが交差点なのですが・・・・

「いよったっ!!」
「えっ!?」

近づいて初めてわかりました。その庭木のすぐ前に迷彩服を着て看板を持った方が立っていました。遠目では、完全に景色に同化していて、ハイテンションなおつむではわかりませんでした。その人に促されるままに進んで行くと、そのあとも角々にスタッフの方の姿がありました。しかし、ここまでくるともはや住宅地。さすがに迷彩服では人目を引きます、気も退きます。次第に無難な服装になっていったかと思うと、最終的には、ただ紙に『ベトベト』と殴り書きして矢印があるだけという、じつに素晴しいお姿となってしまっておりました。(笑)

そうして本当の集合場所の某河川敷へとたどり着いたのでした。

今回のゲームは、ベトナム戦をモチーフにしたなんちゃってサバゲーなので、米帝傀儡軍対北越解放連合の対決です。当然、我々は漢の「北越解放軍」での参加です。セーフティーの位置から違う、昼食休戦を除いた一日ノンストップ復活ゲーム。もう目眩がしそうなシチュエーション。そこでつい思ってしまいました。

『あんた(ら)バカァ〜!?』

当然、自分の事は、棚の上の観音扉、そのさらに奥へと押し込んだのはいうまでもありません(笑)

が、てな事はもうどうでもよくて、いそいそと準備を始めると、セーフティーへと移動したのです。

 
セーフティーまであるので、駐車場で着替えちゃってます。

そのときには後からきたダークエルフの面々とも合流し、大荷物を広げた陣地を構築しました。が、ここで初めの大問題が発覚。

「あ・・・・暑い・・・・」

風は多少そよいでいるものの、まったく何の遮蔽物もない河川敷の開けた場所。お天道様のまぱゆいばかりの日差しが直撃です。気分はもうベトナムはるかに遡ったDAKでした。あつぅ・・・・
と、そんなときです。自慢に満ちた声が響きました。

「こんな事もあろうかと、命をふたつ――じゃなくて、いつものやつを持ってきてまぁ〜す」

技師長なのかウルトラマンの隊長だかわからないコメントの主は、我らが食パンマン殿でありました。そう、かれはゲームの為にと自腹で買った巨大なテントを持ってきていたのです。

 
いまや必需品の巨大テント。近くの人も一緒に使ってました(笑)

それを見た一同、思わず安堵のため息です。さっそく奪い取るようにして組み立てると、我先にとその日陰へと飛び込んだのでした。

「ふうぅ〜生き返った・・・・」

そうして落ち着いたところで弾速測定。もともとノーマル仕様の銃を使用しているので問題はないはずですが、なぜかこのときは測定するのに苦労してしまいました。そのあまりにも動かない測定器に、一部では米帝が紛れ込ました撹乱物資ではないのかといった憶測が飛んだほどです。まぁ、冷静に考えれば、ただ開始が遅くなるだけなので、何の意味もないんですけどね(笑) それだけテンションが上がっていたということです、はい。

 
弾速測定の様子。これがなかなか・・・・
 
同じく測定中の初期型軍装の方々。
でも、仲間内からは「北朝鮮軍」と呼ばれてました(笑)
 

そうしているうちに時間が進み、ゲーム開始のミーティングとなりました。ぞろぞろと集まってくる参加者たち。もう見事に真っ二つ。黒い服と緑の服。うーん、いやおうなく盛り上がってきますねぇ。
今回が第一回ということもあって、説明にはちょっと力が入っていました。特に、ちょっと変わった「復活ルール」の説明においては、スタッフの方による実演寸劇まで行われ、そのあまりにも押さえた(正確には照れてるだけだけど)演技に、参加者一同間違った意味で大盛り上がり。爆笑と拍手の渦に覆われたのでした。

 
説明に集まった参加者たち。見事にバラバラ(笑)
 
復活ルールの実演。完全にお笑い演劇でした(笑)
 


そんなわけのわからない状態のまま無事(?)に説明も終了し、それぞれ自軍のスタート地点へと戻っていったのです。

そうして最後の準備をしながら、ゲーム開始の合図を待っておりました。そのときです。メンバーの一人が叫びました。

「水筒がねぇっ」
「持ってたでしょ?」
「うん、ここに置いといたはずなんだけど・・・・」

自分の荷物を置いてあるシートを指差します。が、そこには水筒の影もありません。復活ルールには水筒が必要なのです。時間はもうすぐ目の前。焦って辺りを探し回っておりました。そのときです。冷静な一言一同の動きを止めました。

「この出っ張りは?」
「――あった・・・・」

ある者が、最初に指差した先のシートが妙に膨らんでいる事に気付いたのでした。誰もが木の枝か何かだと思っていたのですが、めくって見ると見事にそれは水筒でした。
そうして事態が落着したとき、ついに開始の時間となりました。

「ゲーム開始ーっ 突っ込めーっ!!」

「ダワイッ! ダワイッ!!」
「国ちゃうやん・・・・」

合図と同時に湧き上がる歓声。当然我軍は怒涛のように進撃を開始したのです。とはいえ、そこはヘタレな我らの事。のそのそとその後に付いて歩いて行ったのはいうまでもありません(笑)

 
見よこの緊張感の無さ。さすが(苦笑)
 

フィールドは、セーフティーより一段下がった場所なのですが、前日に雨でも降っていたのか、ところどころに水溜りなどがある非常に軟弱な足場となっていました。まさに名実共にベトナムはメコンデルタ地帯といった感じをかもし出しておりました。でも、湿地帯だと布靴にはきついんだよねぇ(涙)

 
フィールド。だいたいこんな感じです
 


しかし、そんなことはいっていられません。こちらが慎重に進んでいるうちに、敵米帝はすぐ目の前まで進出してきていたのでした。とたんに始まる壮絶な撃ち合い。射撃音が交錯しあい、もうなにが何だかよくわからなくなってしまいました。飛び交う指示も滅茶苦茶です。

「おい、あそこ前の茂みにいるぞ」
「左からも回ってきてる」
「そっちにいるのは味方だぞっ」
「とりあえず、撃っとけぇ!!」

相手の姿はほとんど見えないまま、ひたすら弾の飛んでくる方に向かって撃ち続けます。気分はまさに着任早々の新兵さん。なもんだから、とたんにあちこちで湧き上がる負傷者の叫び声。今回は「衛生兵」による救護復活というルールが使用されています。

 
真剣に索敵中。どっから撃たれるか判りません。もちろん他の人(苦笑)
 
衛生兵同士でも「復活」です(笑)
 

しかも、米帝傀儡軍と北越解放軍とで衛生兵の呼び方が違っておりますので、それだけでもどの程度相手もしくは自軍が負傷したのかが一目瞭然だったのです。

「メディークッ(米語)
「バクシィーッ
(越語)

それぞれが仲間の衛生兵を呼ぶのに必至です。が、そんな負傷兵を捕虜にできるというルールもありましたので、身近にいる者はこぞって捕虜集めに遁走してしまっていたのでした。

 
捕虜を取ってご満悦。でも・・・・
 

しかし、これが大きな落とし穴でした。捕虜は自軍の陣地まで連れて行く必要があるのですが、それには一人の捕虜に一人の兵隊が必要だという事で、相対的にフィールド上の人数が減ってしまうという事に気付かなかったのです。おかげで攻勢にまわっているはずなのにもかかわらず、いつの間にか守勢になってしまっていたということが多かったのです。
しかも今回はノンストップ。いつどう事態が変るかわかりません。事実、どうなっていたのかはまったくゲーム中は知る事がありませんでしたから(笑)

しかし、ゲームも進んでフィールドに慣れてくると、米帝傀儡軍の動きがにわかによくなってきたのでした。いつの間にやら連係プレイを始めたようです。おかげで北越解放軍は雨霰と降り注ぐ弾の中を右往左往する羽目に陥っていました。連絡の悪い軍隊ってこんなもんなんでしょうね。

なので、もうどこでなにがどうなっているのか知る事は不可能でした。当然ネタもアリャしません(自爆)
しかし、そんな中で一人気を吐いていた(ただ姿を確認できただけですが)のが我らの食パンまん様でした。ちょろちょろと動き回っては、やれ敵はいないだ、やれ戦利品だと、面識もないチームの人を隊長と呼びながら騒いでおりました。ホント、こういうことやらせるとノリまくりますねぇ。先方も先方で、一緒になってノリノリだったのはやはりゲームの成せる業なのでしょうね。

なんて事をしているうちに、お昼休戦となりました。

     
 
インチキ作業中。
チャーハンといいはり、おにぎり崩してます(笑)
  冷たい麦茶と思いきや、これが凍らしたコーラ(苦笑)
冷たきゃ何でも美味いんです (^ ^;
     

昼休みといったって、それ以前からいろいろと食べていた私らは、得にする事もなくそのままフリーマーケットへとなだれ込んだのでした。

 
フリーマーケットの様子。左にもあるよ。
 
で、そこを物欲魔人、物色中
 
こちらも真剣に見ています
 
が、私はこちらのおねーちゃんを眺めてました(笑)
 


ここでも本領を発揮していたのが食パンまん様。軍服のパンツを探していたらしいのですが、予算的に苦しくなって悩んでいたのです。とはいえ1本1000円だったのですが・・・・(笑) しかし、苦しいときは苦しいので、笑うことはできません。他の人たちがいろいろと買い漁っているのを横目でじっと我慢の子をしている――はずでした。
そうして、みんなが一通り買物を終えて戻った後、一人遅れて帰ってきた食パンまん様。小脇にはなにやらごつい物を抱えておりました。

「あれ? ずいぶんごついパンツだね」
「パンツに見えます?」
「うーん、見えたらやばいよね、やっぱり?」
「うん。僕もそう思います。医者じゃ済まないのではないかと」
「・・・・」

そう、食パンまん様が小脇に抱えていたものは、軍服のパンツなどではなく、マルイの電動ガン・トンプソンだったのです。価格は悩んでいたパンツとは桁がひとつ違ったりしています。1000円悩んでいた人が、どうして買えるかなぁ〜(苦笑)

「だって、な、中に『電動ユニット』が入ってるんだよ」
「チビかお前は・・・・」

食パンまん様の奇妙な金銭感覚にひとしきり盛り上がった後、午後のゲームの開始となりました。
もちろん、食パンまん様はそのままトンプソンを持ってゲームへと参加していきました。弾速未測定だったのに・・・・(苦笑)

午後も午後で、相変わらずまとまりに欠けている我らが解放軍。午前中の戦いで地の利を得た傀儡軍が高台に設営した機関銃陣地からの攻撃に、進む事も退く事もできずジタバタともがくばかりでした。その隙にも傀儡軍の一部の者は、極秘裏のうちに我が陣地へと肉薄していたのです。もちろん誰も気がついておりません――
そんなときでした。陣地内に怒号が響き渡ったのです。

「旗、持ってかれたぞぉーっ!!」

見ると、先ほどまで本部に翻っていた解放軍の旗が跡形もありません。

 
BEFORE こうだったのが――
 
AFTER いつの間にかこうなってました(オイオイ 苦笑)
 

そのすぐわきを慌てて駆け去っていく解放軍の姿。本当に持って行かれてしまったようです。思わず飛び出すタイミングを逃してしまい、一行が帰ってくるのを待つ事にいたしました。
ややあって、ぞろぞろと中間達は帰ってきました。その手にはしっかりと我らの旗が握られています。

 
何とか無事奪還。よかった、よかった。
 

無事に奪還したようでした。そのときの様子を見たものの証言によると――

「いやぁ、かっこよかったよ。持ち逃げしたのがグリーンベレーだったんだけど、うちらに取り囲まれると観念して自決しちゃってさ。アリャ漢だったね」

相手にもスキ者がいたようですな(笑)

しかし、そんな逆テト攻勢ともいえる行いに士気を鼓舞されたのか、それ以降の米帝傀儡軍の攻撃は激しさを増し、我々は防戦一方の展開となったのです。それも本部のすぐ目の前で・・・・

 
フラッグ直前の警戒
 
しかし、敵に攻め寄られ、この有様(苦笑)
 


セーフティーがすぐ近くにあるという事もあって、休んでいてもものの見事に流れ弾が襲い掛かってきます。まさに一瞬も気を抜けない戦場といった感覚です、はい。当然との合間を縫うように何度と泣く傀儡軍のフラグアタックが繰り返されます。

 
傀儡軍のアタック。周りは死屍累々(笑)
 

しかし、毎回すんでの所で撃退に成功し、どうにか死守する事ができたのです。

でも、これって立場的に逆なような気がするのは、私だけではないでしょね・・・・(苦笑)

と、そんなうちにも無事時間一杯となりまして、本日のゲームは終了となりました。いやぁ、何とかフラグを守りきることができてよかったです。一日ノンストップのゲームというのも楽しいですね。ただ、疲れるのは当り前なのでいいとしても、肝心なネタがひろいきれないというのが一番イタイ問題だったりします、私の場合。うーん、残念。いろいろとあったようなんですけれどねぇ(爆笑)

ま、次回もあるようですし、また参加しますよぉ。もちろん漢組でね。

 
戦いすんで、日が暮れて。

どーでもいいや!! (笑)

 
 
 
 
 
 
 
 

・・・ おまけ ・・・

この後、仲間内で打ち上げに行ったのはいいけれど、
終電乗り逃がして途中まで歩いて帰ったのはナイショです(苦笑)

 

 

 

 

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