―― 中  編 ――

 

スタートの合図と共に、一斉にフィールドへとなだれ込む軍団。雄叫びを上げ、笛を吹き鳴らす中の突撃です。うーん、気分が盛り上がるなぁ。

よーし、まずは・・・・弾ぁくらってくるか」

無制限復活ルールです。ヒットを恐れて後方でモゾモゾしているなんて愚の骨頂。潔く突っ込んで、瞬く間に返り討ちにあう。これぞまさに我らが『武士道』!!

に飛び出していった連中を追いかけるように、我々もスタート地点から駆け出します。が、もうここから先は個人プレー。誰がどこにいるのやら瞬時にわからなくなる辺りはさすがです(笑)
が、そんなこととはお構いなしに、フィールドへ出たとたんに目に飛び込んでく
る一本の道。両側をブッシュに囲まれ、いかにも誘ってますよといった風情をかもし出していました。

『危ないよ・・・・ねぇ・・・・』

前回の記憶が蘇ります。両側のブッシュに展開した米帝傀儡軍の激しい攻撃。何も遮蔽物のないそこは、まさに死のロードと化したのでした。
しかし、今回は中央に大きな障害物があり、多少なりとも射線を防いでおりました。それに、なぜか米帝傀儡軍の攻撃がなかったのも事実です。

   
最初は注意していましたが
   
すぐにこんな状態 (笑)
   

『よし、行ける かも・・・・

よくそう考えるなんてマンガなどではありますが、実際にはそんな余裕などアリャしません。 もう興奮状態マックスで、我々は本能の赴くままに駆け抜けるだけしか頭には浮かびません(苦笑)。
そうして中央のバリケードも突破し、何気に前方のブッシュを見やったときです。その向こうに、チラッと何やら黄色いものが目に入りました。

「あれ? まさか、こんな近くにぃ!?」

あまりにも予想外の事に、一瞬足が鈍りました。

 
真ん中左寄りに見えるかな? チラッと黄色いのが
 

前回は影すら見ることができなかったというのに。目的の物がすぐ目の前に現われたのです。

「行くしかねぇ〜〜〜〜!!」

うまく行けばフラッグゲットかも――なんて甘い考えが、そうそううまくいくわけがありません。待ってましたとばかりに米帝傀儡軍の激しい攻撃にさらされてしまったのです。我が突撃隊はたちまちのうちに壊滅。あちこちに屍をさらす事態と相成りました。文字通り「イア・ドランの戦い」といった風景でした。

 
死屍累々。みんな助けを呼んでます。
 

「バクシィー!!」

とたんにあちこちで沸き起こる救助を求める叫び声。その声を頼りにバクシィ(衛生兵)が駆け回り、負傷兵の回復に努めます。
私も前線部でひっくり返っていたのですが、おかげで無事に助けてもらできました。しかもそのとき、

「正面は危ないですから、脇のブッシュに入ってください。みんな移動してますから」

と、別の負傷者のところへ移動する間際に言い残していきました。
思い返してみると、今回のゲームでは、なぜか衛生兵の方が作戦指揮を取っている事が多かったように思います。いいのかそれで(笑)
とはいえ、せっかく復活してもここにいてはいつやられるかわかりません。弾幕の切れた頃を見計らってブッシュの中に飛び込みます。多少情況が好転したとはいえ、危険な状況には変りありません。たまに見える影に向かって撃ち込むものの、当然ですがとどきません。というか、ホントにその方向に飛んでるのかすら不安です。ダメじゃんそれ(苦笑)
フラッグ直近の正面突破は、さすがにムリだという事でしょうか。イア・ドラン渓谷ばかりか、なんだか203高地にまで見えてきました。気のせいかBGMに『戦友』のメロディのおまけまでついて・・・・(苦笑)

となると、残る進撃路は、前回、米帝傀儡軍の機銃座が置かれ甚大な損害をこうむらされた高台の道、通称「ホーチミンルート」です。今回はその名の通り北越解放軍のみが通行できる場所となっておりました。こちらからの浸透作戦をもくろむ者達もおりましたが、そこは勝手知ったる何とやら。文字通りの待ち伏せで、ほぼ使用できない状況となっておりました。さすがは米帝です。学習能力が高い。(我々が学習しないだけなのか 苦笑)

そうこうしているうちに、戦況は膠着状態に陥りました。各所での突破作戦や激しい撃合いは続いているものの、お互いに一歩も前進が望めなくなってしまったのです。

そのときでした。そんな状況を打開しようとしたのか、たんに行き詰った挙句の蛮行なのか、弾の飛び交うフィールドの中を悠々と歩いていく人影がありました。茶色い法衣を身にまとった、そうです衛生兵をやっているはずのお坊様でした。武器はおろか赤十字のマークさえも身につけず、ひたすら説法を説きながらの行進です。

「みなさん、武器を置きなさい。戦いは何も生みません。ただ、憎しみが募るばかりです」

「おぉ、お坊さまぁ、助けてくださぁい」
「お慈悲です。お助けをぉぉぉぉ」

その道すがらには、文字通り救いを求める友軍の負傷者たちがゴロゴロとしていました。しかし、お坊様は救助活動をされるでもなく、ただ手を合わせて祈ってくださるばかりです(往生させてどうすんねん 笑)そして説法を説きつつ歩んでいってしまいます。

「注意一秒、死者一生。いまこそ御仏のお心に耳を傾け、戦いをやめるべきなのです」

「いいから、助けろやぁ! コラァーッ!!

負傷者たちの罵倒もものともせず、ひたすら米軍陣地へと近づいていきます。もうここまでくると立派というのか職務怠慢というのか・・・・(苦笑)
が、米帝傀儡軍はまったく聞く耳を持ちません。

「あの坊さん、アカだぞぉーッ」

罰当たりにも攻撃をかけてきます。

 
傀儡軍の攻撃を受けながらもガンバルお坊様。
なぜか当たらない (ホントか 苦笑)
 

が、微妙に外していたようですけど・・・・その結果として、そのお坊様はそのまま米帝の俘虜となってしまったのでした。
結果、大騒ぎをしていたわりに、何も変らなかったというのはナイショです(オイオイ 笑)

   
思わず見とれる(呆れる?)人達

『いいのかアレ』
『いいんでねぇの。おもすれいから』

   

そうした一進一退を繰り返していると、突然響き渡る笛の音と怒鳴り声。

「本部敵襲。戻れ! 戻れ!」

相変わらず脆弱な防衛体制です(苦笑) 前回に引き続き、今回も強襲を受けてしまいました。慌てて引き返しての防衛戦です。

 
陣地付近での防衛。もう押されっぱなし (苦笑)
 

しかし、敵勢力が少人数という事もあったのか、今回はどうにか追い返す事に成功しました。そして、そのまま勢いに任せて追撃に出ます。

敗走する敵部隊と、バラバラに追撃する我軍。そんな微妙な間隙が功を奏したのか、我軍の一部隊が米帝傀儡軍の陣地に取り付くことに成功したのです。そして、悲願であった南越国旗をダッシュする事に成功したのでした。

 

「旗取ったぞぉーッ。南の旗、取ったぁ〜〜!!」

 

前回とは違う雄叫びに、耳を疑いました。が、間違いではないようです。鳴り響く笛の音が三三七拍子を刻んでいましたから(ウソつけ 笑)
慌てて陣地へと駆け戻ると、そこには間違いなく我々の青い旗と共に敵の黄色い旗も並んでいたのです。

「やったぁ、勝ったぞぉーッ」
「おおおおおーーーーーっ」

もう蜂の巣をつついたような大騒ぎ。興奮しまくりの同志たち。本来なら祝砲を撃ちまくるんでしょうが、さすがにそれはできません。まず勝てるはずのない戦いに勝ったということで、お決まりの記念撮影。そのテンションの高かった事。いやぁ、いいもんです、やっぱり。

 
夢にみた敵フラッグ。もう大騒ぎでした。当然、わたしも大騒ぎ(笑)
 

後で聞いた話なんですが、そのときの作戦に仲間のユキさんも参加されていたという事で、

「いやぁ、フラッグ取ったのはいいものの、ブッシュにはさまれて動けなくなりましてね。近くにいた全員でブッシュ越しにリレーしたんですよ。私も参加したんですが、笑いましたねぇ あれには」

と、興奮気味に話しておりました。私もちょっと見たかったぞ(笑)
なにしろ、普段のゲームでさえ触ることの少ないフラッグです。ましてこんな大きなゲームともなれば、その興奮たるや想像に難くありません。
いいな(笑)
とにもかくにも、どういう形であっても勝ち戦とは気持ちのいいものです。

と、そんな勝利に酔う我々を慰問するかのように、アオザイを着たおねいさんズが現われたのです。ですが、確か我が陣営の女性の参加者は一人、それも軍装を着て目の前にいる方だけだったと思ったのですが・・・・(謎 笑)
しかし、そんな疑問などまったく気にせず、アオザイおねいさんズは、手にした袋から何やら配り始めました。

「コレ、チュパチュパ、ペロペロ、ガンバル、オッケーネ」

何やら意味あり気な怖い事をいいながら(笑)、我々ひとりひとりに手渡したもの。飴玉でした。パッケージには「VC-3000」の文字。ビタミンキャンディでした。お疲れには定番ですネ。
が、おねいさんズは首を振ります。

「チガウ、チガウ。コレ『ブイシー3000』ジャナイネ。ホントハ『ベトコン3000』ヨ!!」

―― や・ら・れ・た ――

とたんに湧き上がる大爆笑。まさかそんなオチにもっていくとは・・・・(苦笑)
個人的には『ビタミンB−29』以来のヒットです。あら、どちらもビタミン系? ま、なんの関係もありませんけど(自爆)

 

誰がコレを『ベト・コン』と読むっ!! (苦笑)

 

そうした後、仕切りなおしの二戦目が始まりました。勝利の興奮が忘れられない我々は、そのままの勢いに乗って攻め込みたいところです。しかし、相手はそうそう甘くはありません。しかもフラッグケットされた後というだけあって、その攻撃のハンパではない事。以前にもまして進む事が難しくなってしまったのです。
ここで、我々は秘密兵器『アオザイおねいさんの色仕掛け』をも投入(笑)

 
うー、アオザイのおねいさん、イロッぺ〜(笑)
でも、持ってる銃は凶悪だけど (苦笑)
でも、ご本人はもっと凶悪 (爆笑)
 

その魅力で骨抜きにしてやろうという、傀儡軍には効果的な作戦――のはずでした。が、結果はあえなく失敗に終わってしまいました。そりゃ武器を持ってちゃ通じないでしょ・・・・て、えっ?それが理由じゃない? やっぱり・・・・納得!!(苦笑)

などと、押し合いを繰り返しているうちに、時間はお昼の休戦となったのでした。

 
 

★★★★ 今編のオトコ? ★★★★

 

いきなり登場のすごい人。
こんな事ができるのは、いろんな意味で大好きです(笑)

 
はい、誰がなんといおうと『おねいさん』です 。異議は却下!!
腰のちらリズムなんてもうサイコー (自棄)
下着まで身に着けるあたり、1センチもハンパねえっすっ!!

『夜目・遠目・笠の内』 昔の人はいい事をいいました (自爆)

 
 

 

後 編

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