−− 前 編 −−

 

「おきろ!!」
「自分達は、さっきまで呑んでいたんですよ」
「いまの時計が見えないのかっ」
「ちくしょう時間め またかっ!」
「急げ馬鹿野郎」
 (出展わかる人、ちょっと・・・・かも(苦笑))

まいど恒例の前日宴会。運転手が寝てればオレらは大丈夫とばかりに、意識を失ったのが午前四時。出発予定は午前六時。当然、極度な寝不足&二日酔い(爆) 意識も朦朧とする中たたき起こされると、脳内でやりとりを「某 エミュレーション」していましたとさ(笑) もちろん、荷物を積み込んで出発した後もワープの連続。気がつくと集合場所のすぐ近くに達していたのでした。時刻は、予定時間通りでしたけれど。
ここで待ち合わせしていた(はずの)もう一人の参加者を探します。

「で、誰だっけ?」
「うーん、誰なんだろ?」
「知らんのかい・・・・」

そう。誰かくるという連絡はあったものの、それがダレなのか誰も知らなかったのです。総員の一致した意見で「あの人」しかいないという思い込みがあっただけなのでしたぁ(爆笑) 当然それらしい人影を探します。似たようなカッコをしている同業者な方はいっぱい見かけましたが、目的の人は見つかりません。

「やっぱり、自転車でくるのかなぁ」
「だろうね。先いって待ってよう」

という事で、前回も自転車で現われたという実績から、我々は集合場所を後にして、会場受付へと向かったのでした。
が、ここでもひと問題。

「道覚えてるの?」
「大丈夫。まぁ〜かせて」
「でも・・・・この辺り見覚えないよ」
「あ、やっぱりぃ・・・・」

そう。うろ覚えで走っていた道筋、見事にオーバーランしてしまっていたのです。そりゃ誰も見た覚えなんかアリャしませんって(苦笑) 慌ててユーターンをかましたのはいうまでもありません。
そうして、やっと見覚えのある場所に到達したのですが、でも一抹の不安はありました。が、すぐにそれは杞憂だという事がわかったのです。なぜなら「ベトベト」の文字があちこち目立つように張られていたからです。この間まではちゃんと人がいたはずなのですが、今回はただの張り紙だけという所がけっこう目に付きました。さすが慣れてくると手を抜いてきますね(苦笑)
ともかく、手抜き――もとい、親切な道案内に誘われるままに進んで行き、無事に受付場所へとたどり着いたのでした。

が、ここにまたも驚くべき光景が広がっていたのです。侵入路手前が米帝傀儡軍の駐車スペースで、その奥が我々の南越解放軍の場所となっているのですが、手前から続いている車の数が途切れない。どこまで行っても続いていたのです。さすがは物量にモノをいわせる連中です(笑)

「うわぁ・・・・人数比半端じゃないのは聞いてたけど、これは予想以上だ」

そんな圧巻なまでの光景の中を進んで行くと、思わず映画『アルディンヌの戦い』のオープニングを思い出してしまいました。(この映画の見せ場はここだけだったなぁ・・・・関係ないけど 笑)
と、途中で関係者による検問(参加者の確認)がありました。会場は使用許可を取ってある専用フィールドとはいえ、それ以外は一般の方も使われるのです。やはり特殊なイベントだけに確認は大切です。

「参加される方ですか?」
「ハイ、そうです」
「どちら側です? 北? 南?」

もちろんいうまでもなく我々は漢の北側です。しかし、ここでアクシデント発生です。

もちろん南!!

何をトチ狂ったのか、質問を受けた者が予想もしない言葉を口にしたのです。それまで、いやこの先も続いている米帝側の車列に気圧されてしまったのか――
しかし、すぐに自分の士道不覚悟とも取られる発言に気がついたのか、慌てて付け加えました。

――の解放軍です。北です、北ぁ〜!!
「あ、そ、そうですか。それじゃこの先の誘導に従って進んでください」

笑いを堪えている様子がアリアリのスタッフの方の案内に従って、さらに進んでいきます。ま、この辺りは前にも来ているので勝手知ったる何とやらですが。
しかし、米帝側の車列は道のりの半分を過ぎても途切れない。やっと途切れたかと思うと、そこはもう道の突端でした。同志と思わしき車の列はほんの一握り。うわぁ、今回少ないなぁ・・・・事前にわかっていた事とはいえ、こうして目の当たりにしてみると、やはり絶望感にも似た思いがわき起こります。

 

駐車スペース。とっても寂しー(苦笑)

 

しかぁ〜し、そんな事にめげている場合ではありません。相手の人数が多いという事は、それだけ撃たれまくる確率が高いという事です。

サバゲーとは、撃たれる事と見つけたり

日本古来よりの武士道精神をモットーとしている(いろいろ間違ってますが 苦笑)我々にとって、これ以上のシチュエーションはないでしょう。半ばヤケクソ気味に嬉々として準備にいそしんだのでありました。
うなぎの寝床――もとい、気分満点なジャングルの中という感じの狭いセーフティーで準備をし終えると、弾速の測定および米帝の露天を襲撃に出発です。

 

セーフティーの様子。かなり狭いです。

 

弾速自体は、元々ノーマル思考というよりもヘタレマンセーな連中なので、何の問題も無く通過。ただ、今回はお任せ測定だったのにもかかわらず、なかなか結果が出なかった銃があったというのもいつものことですた(笑)

 

弾速測定中。スタッフさんお任せです。

 


露店の方は、もう完全に米帝の物資横流し状態。なにやらよくわからない如何わしい物も並べられていて、相変わらずな様子に一安心。中でも笑ったのは、ブーツ本体が格安で出ていたのにもかかわらず、なぜか靴紐は別売だった事です。一緒じゃなきゃ意味ないじゃん(笑)

 

ヤミ市。相変わらずミョーなものが多かったですね。

 
 

その手前で略奪物資に興じる米帝兵。
エンジンがかからないと大騒ぎ。が、それは鍵を回していなかっただけと判明。
やるな、なかなか(笑)

 

そうこうしているうちに開会式の時間となりました。

ゾロゾロと集まってくる参加者たち。見渡す限り米帝傀儡軍の軍装で埋まっていきます。我らが同志たちの姿は、その人海の中に埋もれて見つける事が困難なほどでした。いや、予想していた事とはいえ、ここまでハッキリと目の当たりにするとさすがに凄い。妙なやられ気がムッシュムラムラです(爆笑)

 

集合の図。どうがんばっても米帝の姿が多いんだよね(涙)

 

今回から多少ルールが変わった事もあって、その説明がもはや定番となったショートコントで行われます。さすがに三回目ともなるとみなさん慣れてきて、最初のときのような妙なテレが無くなってしまったのがちょっとばかり残念でしたね,。でも、素人三文芝居を超越したみょうちくりんなノリは健在で、何かというと笑いを誘っていたのでした。イヤァ、これを見るとやっぱり改めてこのイベントに来たんだなと思います、ハイ。
しかし、肝心な「復活ルール」の変更については、どうせ北側人民軍には関係ないとばかりに、よく聞いていなかったのはナイショです(苦笑)

ここで、主催者さんよりさらにいかしたサプライズ発言。

「今回フラッグはありません!!」
「えっ、じゃ勝敗はどう決めるんです?」
「勝ちたければ、相手を全滅させるか完全に追い出してください」
「それじゃ終わらないんじゃ・・・・」

「ハイ、一日かかっても終わりませんね。断言できます(笑)」

「・・・・」

人数差をカバーするイベントとはこれだったか(笑) 確かに、これなら人数差は関係なくなります。が、という事は、昼食休戦を除いて一日出ずっぱりという事――いつもの事ですね(苦笑)
最後に、やはりイベントの対象が対象なので、ベトナムへ向かって黙祷を捧げると、ゲーム開始へと向けてそれぞれのスタート地点へと戻って行ったのでした。

戻ってみると、不意に一枚のビラが手渡されました。

 

ビラを配っている捜索隊員。

で、それは これ

 

その人の説明によると、

「今回米帝の中に戦争犯罪人がいます。ぜひ見つけ出して連行してきて下さい。一人は強盗放火殺人。
もう一人は老若男女問わずの強姦魔という極悪人です」
「おおっ!?」

今回もありました。この正体不明なノリがいいんですよ。同志捜索隊の呼びかけですから、もちろん協力いたします、ゲーム中も覚えていられたらね(笑)

そして、最終的なルールの補完説明がありました。

 

最終確認。説明者は我々側の浸透工作員だ(笑)

 


それによると、やはり我々は人数的な制約から復活方法が非常に簡略化されていました。なんと復活役の衛生兵がいないのです。スターと地点に帰ってきて「戦死者名簿」に記名すればオッケーとの事です。うわぁ、簡単。誰が最初に二ケタ突破するか仲間内で密かに競っていたのはいうまでもありません(笑)
米帝傀儡軍は、小隊単位での行動となり、半数がヒットすると退却するというルールが追加されているそうです。うーん、初めての試みなのでどうなるかわかりません。まぁ、こっちの倍いるわけですから平気なのかもしれませんが。その結果はすぐにわかる事でしょう。

「それと、今回ちょっとフィールドへ降りるのが大変なので、ここのベースとは別にもうひとつ現地本部を設置しました。復活その他、休憩以外はそちらでも可能ですので利用してください」

セーフティはちょっとした高台にあるので、フィールドへ降りるのは一苦労なのです。なので現地本部があるというのはとても助かります。しかも、その後に付け足された説明もありましたから――

「それと、今回ちょっと足場の方がよくありません。数日前の大雨の影響で、あちこちに水溜りができてます。中には腰ぐらいまで潜る深い物もありますので、なるべく水のある場所には近づかないでください。特にここからフィールドへの降り口にある水溜りは凶悪です。簡単なわたり板をかけておきましたが、落ちないように気をつけてくださいね」
「!?」

場所が河川敷なので、大雨が出れば川の水を被るのは承知しています。が、ここ何日もいい天気が続いていたので大丈夫だと思っていたのですが、現実はそう甘くなかったようです。
とにかく、いきなり水溜りに落ちるのもイヤなので、我々は現地本部からスタートする事にいたしました。で、問題の水溜り――フィールド入口の急斜面を駆け下りたすぐ手前にありました。で、そこにあった「わたり板」――水辺に捨てられているゴミにしか見えませんでした(笑) とっても不安定なもので、思わず落ちかけたほどです。幸い靴をちょっと濡らしただけで済みましたけど。

 

問題の水溜り。じっさい渡るとほんと怖い。

 


その後に続くネチョネチョ道。第一回の足場が思い出されました。あの時も酷かったもんなぁ・・・・
そうして足場がよくなったと思った頃に、目の前に現地本部、通称『狩美(カルビ)村』が現われました。当たり前ですが村とは名ばかり。骨組みにシートをかけたテントモドキです。しかもなぜかBGMに妙な音楽に乗せた赤ん坊の泣き声を流しているというシュールさ。もう脳天くらくらです。(後ほどこのBGMがイベント的に役に立つ事になるのですが、そんな事などわかるわけアリャしません) 天気予想に反した強烈な天気とのダブルパンチはきつかったですね(笑)

 

現地本部『カルビ村』 まさに掘っ立て小屋(笑)

 

まぁ、そんなどうでもいい事は置いといて、準備を終えた我々はそこでスタートの合図を待ちました。

 
 
 
 

待ち続けました。

 
 
 
 

待ったんです・・・・・・

 
 
 
 

――飽きました(苦笑)

 
 
 
 

なかなか号令がかからない。米帝側の人数が多すぎて手間取っていたようです。が、ようやっと連絡がついたようで、無線機から顔を上げたスタッフが叫びました。

「ゲームスタート!!」
「おーっ」

待ってましたとばかりに歓声が上がります。いよいよゲームの開始です。

 
 
 
 
 

あ、そういやメンバーの一人忘れてた・・・・ま、いいや(笑)

 
 

続く・・・・

 

 

 

後 編

 

戻 る

inserted by FC2 system