−− 序 編 −− |
天気予報 『曇りのち一時雨』降水確率50パーセント。 コリャ誰だって雨が降ると思うでしょう。当然、私もそう思っておりました。ゲーム自体は雨天決行という事なので、まったく気にしてはいなかったのですが、さすがに濡れて帰るのはどうかと・・・・ 「おおっ、これはなかなかっ!」 タイトルは『コウノトリの歌』 ベトナム製のベトコン側からの戦争物です。本国製作という事もあって、明日のゲームにうってつけでしょう(笑) が、ここで大きな問題がひとつ。はっと気がついてみると、時刻は午前四時。目の前にはビールの空き缶が半ダース。完全に酔ってました。寝たら起きられないのは間違いない事態です。 「しかたない。徹夜で行くか」 と思ったまではいいものの、記憶に残っていた時間は午前四時半。気がついたらなぜか六時になっておりました。 「すげぇ、時間ワープした!?」 ンなわけはなく、ただ眠ってしまっただけですね(苦笑) 出発予定まで後30分を切っています。慌てて道具をかき集めると、家を飛び出して行ったのはいうまでもありません。 そうして待ち合わせ場所のコンビニへとやってくると、そこはすでに潰れていました。ま、事前に聞いていたので驚きはしませんでしたが、やっぱり何か寂しいものです。
寂しいといえば、待ち合わせている相手もやってくる気配がなく、寂しいどころか非常に不安な気持ちになってきたのでした。約束の時間まであとわずか・・・・が、タイムリミット近くになって現れました。しかし、予定人数にひとり足りない。聞くと、仕事の都合で家に帰り着かなかったので、そのまま何の躊躇もなく置いてきたという事です。うーん、かわいそうになぁ(なんて 笑) 今回は、スタッフの手が足りないという事で、普段いる道案内がいないという事でした。何度か通っている道なので、それ程心配はしませんでした。人はいなくても、案内ぐらいはあるんじゃないかと思っていましたから――が、それは甘かった。人がいないということは、案内自体まったく無いという事だったのです。おかげで最初の曲がり角を思いっきり間違えて、慌てて引き返してきたのでした。もう気分は『異邦人』 会場の駐車場には、恒例の長い車の列がすでにできあがっておりました。それもほとんどが米帝側の車両で・・・・いつもの事とはいえ、こればかりは北側参加者としては、ちょっとばかりイヤになります(笑)
とはいえ、そんな愚痴をいっていられるわけもなく、いつものように南越側の駐車場に車を止めると、準備開始です。風が強い上に、天気予報ではあまりいいような事をいっていないので、万一に備えて極力荷物を置いて行こうという算段からでした。 「うぉっ!? オネーちゃんがおる!!」 アオザイ姿の、正真正銘まごう事ない女性がお二人おられました。何名かのグループで参加するようです。うんうん、やっぱりアオザイはホンモノの女の人が着た方が栄えるよねぇ(今回もいるんだろうか、アレ・・・・笑) 「そろそろ開会式が始まりますので集合してください」 オネーちゃんに見とれていると、スタッフの方から声がかかりました。慌てて準備を終わらせると、開会式の場所へと集合いたします。 会場に着いてみると、もういるわいるわ。そのほとんどが米帝南越連合軍です。すでに弾速チェックを終えた迷彩柄のヘルメット群の間に、我らが北勢力がいるという状況です。ま、これも毎度の事なので気にしませんが(苦笑)
と、その説明の中で、米帝のタイガーさんからある質問が。 「捕虜の扱いは、どこまでいいんですか?」 負傷した者は、自軍の救助で復活できるのですが、そのまま相手に拉致される事もあるのです。その場合、当然のごとく尋問という名の『虐待(イジメ)』がおこなわれるわけですな、これが(笑) その程度の確認のようです。 「そうですね。生命、身体に危険が及ぶ行為は止めてください。あと、できればトラウマになるような事も避けてもらった方がいいと思います。ま、そのときのノリで決まると思いますけど(笑)」 ごく当たり前の事ですね。とうぜんタイガーさんも納得です。しかし、交戦,条約は正規軍同士にあるもので、ゲリラには関係ないんだという事に、そのとき誰も気づいていなかったのです(苦笑) で、それが終わった後、われわれ北側の弾速チェックがありました。
本来ならすんなり終わるはずのものが、相変わらず不明なエラーをたたき出してしまうというのはなぜなのでしょう。きっとアオザイさんが関係しているのではないでしょうか? と勝手に邪推してたりします(苦笑) 「今回は、正規軍と解放軍にわけます」 黒い服が解放軍(ベトコン)で、緑の服が正規軍という、じつに簡単明瞭な区分け方でした。 「あのぉ〜同じ人民軍でも、なぜか一人だけ中華の人がいるんですが・・・・」 そう。ほとんど変わらない装備なので、誰も気にしていなかったのですが、いわれれば確かに人民帽を被った正真正銘の中国軍がおりました。帽子が無ければ問題無かったのにね。これには一同苦笑い。当の本人も困ったように右往左往するばかりです。 「ああ、大丈夫ですよ。正規軍の中にはいってください」 正規軍人の義勇兵という、わけのわからない設定で北正規軍に仲間入り。いいですねこのアバウトさ。どこぞの本栖湖のイベントでは、こうはいかないでしょうね。だからいいんですよぉ(笑) 「今回、フィールドには村が二つありますので、解放軍は二つに分けます。それぞれ配置された村がセーフティになります。ですが、正規軍には今回ありません。どちらの村でも好きな方を使ってください」
セーフティーが決まってない。それはまたすごい事です・・・・ま、リアルといえばリアルなんですけどね(苦笑) ただ、復活ポイントは最初に決めたセーフティーのみで可能という事らしいので、選択は大事ですよ。何も考えてませんけど(笑) 「あと、今回は、正規軍は隊長の、解放軍はほれぞれの村の村長の指示にしたがってください」 「なんですとぉ〜?」 毎回微妙にルールが変わっているのですが、今回は結構大きな変更です。いままでほとんど好き勝手に動いていた自由さが気に入っていた者としましては、早くも『興ざめぇ』といった感じが正直否めませんでした。
だぁ〜が、そんな事はまったくの杞憂に過ぎなかったという事は、ゲーム開始後すぐに判明したのでありました(爆笑) 「それでは、みなさん『村』へと移動してください。間もなくゲームが始まりますから」 とスタッフに促され、我々は三々五々と移動を開始したのでありました。
しかし、このときすでにゲームが始まっていたという事態に、我々北側一般参加者はもちろん、同スタッフまでも気づいていなかったというのはナイショです・・・・(苦笑) 続く・・・・ |
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