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天気予報では、曇りのち一時雨という発表だったのにもかかわらず、何かとてもいい空模様となってきました。足元も、思った以上に状態がよく、総合的にはいままでの中で一番よかったかもしれません。しかし暑いよ・・・・ 両手に荷物を抱えながら、無事フィールドへとたどり着くと、すぐ近くにセーフティになる通称『カルビ村』がありました。このさらに奥にもうひとつの『サンチェ村』があるという事です。が、誰一人としてわざわざ遠いところまで歩いて行くわけはなく、そのカルビ村の本当に入口の所を宿営地と決めたのでした。
「あー、いま連絡があって、もう米帝側は移動を開始しているようです。ゲーム開始です」 オイオイ、こちとらいま着いたばかりだってのにぃ・・・・周りを見ましてみても、みんな同じように慌てています。そりゃそうでしょう。そして、すぐ隣には隊長殿の姿がありました。もちろん同じように慌てています(笑) 「えーっと、人民軍兵士諸君。準備はできましたっ?」 スタッフ改め村長改め党政治委員より呼び出しをくらった隊長殿が、慌て眼で声をかけます。そのさまは、まるでNKVDに肩を叩かれたかのようでした。が、幸運にもほとんどの者の準備はかろうじてできあがっておりました。 「あーよかった・・・・って、オレがまだじゃん!!」 ホッとしたのもつかの間、自分の準備が終わっていないのを思い出した隊長殿は、慌てて荷物をひっくり返したのでした。
そしてどうにかやっつけると、 「人民軍諸君、集合!」 何事も無かったかのように再度号令をかけます。でも、もうみんな集まってますって(笑) 「・・・・!?」 そんなやり取りを見ながら、間近でその顔を改めてみると、どこかで見覚えがある事に気がつきました。しばし悩む事ほんの一瞬。 「あ、カメラマンの人じゃない?」 そう、以前のゲームで米帝側の従軍カメラマンをしていて、途中から我陣営に寝返った――もとい人民革命に賛同されたあの人なのではないでしょうか? 一緒にいた仲間にそれとなく確認すると、 「そーだよ。わからなかった?」 なんてことはどーでもよくて、視線をゲームに戻してみると、 「さきほど党政治委員殿より通達のあったように、米帝軍が侵攻してくるようです。各自態勢を整えて待機してください」 隊長殿、必死の説明です。そして本部よりの攻撃開始指令を待ちます。 待ちました・・・・ 待ってたんです・・・・ 待ちくたびれました・・・・(笑) 前回ならば、ここで飽きてどっかへ行ってしまうのですが、さすがに学習いたしました。ジリジリしながらもどうにか我慢して待ち続けたのです。ま、ゲーム開始一発目というのもあったのは間違いありませんけど・・・・(苦笑) 「あのブッシュの向こう側、見えるよね?」 拠点にしているカルビ村からも見える場所に、チラチラというか堂々と動いているのが丸判りです。 「なんかさ、このままだと包囲されっぼくない?」 それはそれで面白いんですが、さすがにそれではまずかろうと、各自思った事を口にしていました。 「党政治委員からの通達が無いんだ。だから、もうちょっと待とう」 ちょっと不安になってきたのか、さすがの隊長殿もチラチラと村の方へと目をやります。が、依然として指示は出ませんでした。 「ほんと、冗談抜きにやばくなってきましたよぉ、隊長〜〜」 確かにその通りで、その頃になると、目に入るブッシュそのほぼすべてに迷彩柄のヘルメットがうかがえる事態となっておりました。こりゃ取り囲まれたかもぉ? 「知らないもん!ボク、悪くないもん!」 子供ですかあなたは(爆笑) 「おしゃ! 諸君、作戦開始だっ。米帝どもを返り討ちにしてやろうっ!!」 隊長殿にとって渡りに舟とはこの事でしょう。周囲の目から逃れるかのように、掛け声も勇ましく飛び出していきました。もちろん我々もその後に続きます。
かと思うと、 「アメリカ軍の諸君、戦いを止めたまえ。いまこそ真の人民革命に共に立ち上がろうではないか。さあ、武器を置いて我々と手を取り合おう」 掌をマイク代わりに、得意のアジテーションを繰返していたのです。
米帝側の返答は、当然のごとく雨のような銃撃でした(笑) 「ダメだ・・・・人民軍諸君、一度後退して態勢を整え直そう」 どうにも埒が明かない状況に、とりあえず出撃地点まで後退です。といっても、ほんの数歩あるくだけなのですが・・・・(苦笑) 「という事で、正面攻撃は解放軍の同志に頑張ってもらうという事で、われわれはホーチミンルートを通って米帝本拠地へ浸透攻撃をします」 何がそいう事なのかよくわかりませんが、いったん後退した後に再突入計画が立てられました。しかも今度は(ムボーこの上ない)真正面からではなく、米帝側が立ち入りできない設定の丘の上の通路を通っての浸透です。 とはいえ、存在自体がバレバレな見通しのいい通路なので、途中に米帝側が待ち伏せしているのは明らかです。でも行くのか・・・・行くしかないよな、俺たち・・・・(苦笑)
両側に茂った草を遮蔽物に利用しながら、10人以上の大部隊(泣けるぅ 苦笑)が隊長殿を先頭に、ちょっとだけ慎重にどうどうと真ん中を進んで行きます。
半分くらいまできた所で、まだ発見されていないようでした。奇跡に近いです――と思った瞬間でした。 パリパリパリパリ・・・・ 聞き覚えのある音が響き、耳元を白い塊がかすめて行きます。発見されたようでした。当たり前です。ど真ん中を歩いていれば、誰だって気がつくというものでしょう(笑) 「危ないっ。気をつけて、命大事に行きましょう」 いいのかそんな指示で(笑)
ともかく、近場のブッシュに身をかがめると隊長殿がそうのたまいました。当然、我々も慌てて身を隠したのはいうまでもありません。そして思い出したように反撃を始めます。が、悲しいかな弾が届いているのかいないのか判らない・・・・はやばやとお互い撃ち合いながらのこう着状態です。 「なぁ、ここでやられたら、やっぱり倒れなきゃいけないのかな?」 無理もありません。細い通路である上に、なぜかその足元にだけ大きな水溜りがあったのです。ちょうどそこに差し掛かった瞬間に攻撃を受けました。計算してるな米帝(笑) 「アメリカ軍の諸君。攻撃を止めたまえ。我々は戦いは望んでいない。話し合いたいのだ」 返事は、当然のごとく弾の嵐。それも前にも増して激しく。かえって煽っただけかもしれません。向こうもなにやら叫んでいますが、こちらの耳にまでは届きませんでした。ただ弾のかすめる空気音ばかりです。 「止めろ、撃つな! 怖いんだよっ!!」 もう本音だだ漏れ(爆笑) 激しい米帝の攻撃に釘付け。後ろにはNKVDばりの怖い党政治委員が待っています。進むに進めず下がるに下がれず、もう八方塞でのご乱心です(笑) 「なんだ逃げるのか。コンジョー無しがぁ」 とかいうような、背後からの米帝の挑発を耳にしたとたん、隊長殿が不意にきびすを返して道を戻り始めました。そして一言。 「うるせー。今は見逃してやる。次は覚悟しとけぇ〜!!」 黙ってられなかったのね、やっぱり(苦笑)
しかし、そんな後先考えない行動は危険では―― 「てったぁ〜い。逃げろぉ〜〜〜」 と、捨てゼリフをいい放った隊長殿は、脱兎のごとく我々の目の前をすり抜けて、瞬く間に後方へと走り去って行きました。その命令が後から追いかけてきたように感じるほどの素早さです。 そして、思ったとおり、その後を追撃してくるものがありました。 バリバリバリバリ・・・・ 嫌な予感的中です。怒った米帝の攻撃です。逃げたと思った相手に逆挑発されたのですからね、そりゃムリないでしょ(笑)
しかし、一番の問題はそこではなかったのです。挑発して逃げるのはいいんですが、一本道で我々をはさんだ状態では止めてほしかった。隊長殿をねらった弾が、そっくりそのままこちらに襲いかかってくるのですからたまりません。その凄まじいのなんのって・・・・ 「やっぱりぃ〜〜〜 隊長どのぉ〜まってぇ〜」 呆気にとられ立ち往生していた我々も、遙か遠くに走り去った隊長殿を慌てて追っていったのはいうまでもありません。 大丈夫なのかぁ、こんなんで・・・・(苦笑)
続く・・・・ |
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