−− 中 編 −− |
ほうほうの体で逃げ帰ってくると、我らが拠点のカルビ村では、それまでの喧騒とはうって変わった、非常にのどかな光景が展開されておりました。
しかし、いつまでもそんな事にかかわってはいられませんでした。そんな『私の知らない世界』の住人(苦笑)は置いといて、我々には新たな出撃命令が待っていたのです。 「隣のサンチェ村が米帝の特殊部隊に襲われていると情報が入りました。なので、我々も全精力をもって救援に向かいます。そして、敵の情報を得るために捕虜を一人捕まえます。いいですね!?」 いいも悪いも、党政治委員からの通達は隊長殿は絶対ですからぁ(笑)
それは私たちにも同じ事。不足した物資その他を補給すると、隊列もバラバラのままサンチェ村へと駆けつけたのです。 サンチェ村では、すでに激戦が繰り広げられておりました。というか、着いた時点でほぼ決着がついていた様子で、我々は少々お間抜けな感じが否めませんでした。まさに今回の調子を物語っておりますな(苦笑)
などといっていながらも、逃げ遅れた米帝特殊部隊員を取り押さえると、一箇所に集めました。さっそく尋問開始です。
「おらの畑に火ィつけたのはオメーらかっ!?」 ・・・・ 「人民の大切な財産に手を出すとは、まったく許せんな」 隊長殿も同様にご立腹していたようです。一方、ワラワラと取り囲まれた米帝の捕虜たちは、すがるような情けない目を向けておりました。
と、一通りの尋問(実際は何もしてなかったけど 笑)が終わると、不意に党政治委員がいいました。 「じゃ、犯人を決めましょう」 ・・・・犯人を『見つける』ではなくて『決める』んですか。さすがはスターリニズム(苦笑) しかし、問題なのはその人選。捕虜は四人いましたから。 「・・・・」 しばし悩んでいたかと思うと、ニヤニヤと笑いながら一人を選び出しました。その人は、開会式で捕虜虐待について確認していた人ではなかったでしょうか? 確信はありませんが、そんな気がしてなりません。 しかし、状況はそんな事などお構いなしに、馬車馬のごとく進んでいきました。 「では、選ばれた幸運な人に、我村のキャロ○イン洋子から祝福のキッスで〜す」 幸運なのかなぁ・・・・(苦笑) それよりも、キャロラ○ン洋子ってわかる人いるんでしょうか? と、そんなオヤジの突っ込みはおいといて、問題はそのご本人です。嫌な予感が悪寒と共に全身を駆け抜けました。 キ タ ァ ー !! やっぱり出ました。期待に違わずのあの方です。もう相手のことなどお構いなにに迫っていくそのさまは、何か得体の知れない迫力さえ感じられます。当然、被害者は拒否して逃げ出しました――が、見事に失敗。ナムー
けど、それだけでは終わりませんでした。 「おお、せっかくの好意を無にするとは。オシオキだべぇ〜」 もう勝手な事ばっかりです(笑) これ以上のオシオキって―― 続・嫌な予感。 ま・さ・に・て・き・ち・ゅ・う・! おぞましいモノを見ました・・・・
ここまでやるなんて、さすがです・・・・いまさらですが、気にいったぁっ!!(自爆) 私の記憶が正しければ、確か開会式のときに『捕虜の尋問は、トラウマになるような事は止めてください』といっていたような気が・・・・これはいいのか? 村人はゲリラで正規軍ではないから、条約なんか関係ないという事なんでしょうか? ま、どっちにしても面白きゃ黙認なんでしょうね、ここのノリだと(爆笑)
やられた本人は大迷惑ですが、ギャラリーは大爆笑。中にはホンモノの女性もいたのにねぇ。北側参加者ほぼ全員集まってのバカ騒ぎに、救出にきた米帝の仲間たちも呆れ眼で返り討ちにあっていたほどですからね(笑) いやぁ、楽しかった。という事で、その人はそのまま置き去りにして(オイッ)、我々は自分たちの村へと引き上げていったのでした。とりあえずは目的達成という事で・・・・情報は取れてないけど・・・・いいんだよな?(苦笑) と、サンチェ村防衛戦から戻った我々は、その後も性懲りもなく浸透攻撃を繰り返しました。
が、いつもいい所までは浸透できるのですが、決まって見つかるとそのまま撤退というパターンの繰り返しです。まさに『一歩進んで二歩下がる』状態です。 「あーっ、メンドくせぇっ」 と、半分やけになった私は、どうせ復活ルールがあるとばかりに、最前線から先へと突っ込んでいったのでした。メクラ撃ちをしながらの突撃です。結果は決まっています。予想通り、思いっきり十字砲火を浴びてひっくり返ってしまったのです。 「ああ・・・・か・い・か・ん・・・・」 古いんだか新しいんだかわからないフレーズが脳裏をよぎります。まさにやられマニア至福の一瞬です。気持ちいい〜!!(爆笑) と、偶然近くに居合わせた隊長殿が、果敢にも救助に駆けつけてくれたのでした。 「おい、大丈夫――!?」 私を助け起こそうと身を屈めたそのときです。 ビリッ 何かが裂けるような音がしたのです。と、間髪いれずわきあがる隊長殿の雄叫び。 「あぁっ!? ケツ破れたぁ〜〜〜!!」 そうです、しゃがんだ瞬間に、事もあろうかズボンの股間を破ってしまったのでした。たまにある事とはいえ、このタイミングでやるとはさすがは隊長殿(笑) もう私の事など眼中にありません。お尻に手を当てて確認すると、 「あーっ、またビリッていったっ! もう駄目だぁ〜〜」 そう叫びながら、まるでウ○コを我慢している子供のような格好をしたまま、一目散にセーフティーであるカルビ村へと逃げ帰って行きました。目の当たりにしていた私も笑いを堪えるのに必死でした(おかげで写真撮るの忘れました)が、周囲ではもう敵味方問わず笑いが起こっていたのはいうまでもありません。これだけ派手に告知しちゃえばねぇ(笑) と、それと入れ替わるように、妙に優雅な怪しい一団がやってきました。見ると、お馴染みアオザイsです。今回は背負子を背負ったお供を連れていました。特に何をするでもなく、一直線に歩いてきます。にこやかに手を振っていたりするんですが、その正体を知っている立場(もちろん参加者全員ですが)といたしましては、なんともいえない思いがあったのはナイショです(笑)
が、そんな思惑などお構いなしに、そのまま米帝側の警戒線にさしかかったそのときでした。ほとんどフリーパスで通された(追い払われたともいうかな(苦笑))アオザイsと違い、見るからに怪しい背負子をしょった村人同志は、やはり荷物の臨検を受けたてしまったのです。そのときでした。ポンッという軽い音が響き渡ったのです。そう、いまの時勢一歩間違うと非常に危ない自爆攻撃なのでした。臨検していた米帝兵士は倒れましたが、その他のメンバーによってすぐさま取り押さえられたのはいうまでもありません。
でも、その村人死んでんだろぉ(笑) とか何とかやっているうちに、昼の休戦タイムとなりました。 続く・・・・ |
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