−−  序  編  −−

 
 

10月27日・前日

 

数日前に突如発生した台風が最接近。しかも、よせばいいのに、なぜか勢力も強かったりして。外はもう大風の土砂降り。目を覆わんばかりの惨状でした。

「オイオイ、これで明日大丈夫なのかよ・・・・」

屋根から滝のごとく流れる雨水を横目に、天気予報を確認する事数十回。とにかく、明日には台風も遙か沖合いに抜けるという予報、それを信じるしかありません。

「大丈夫、大丈夫。明日は晴れるって」

まいどお馴染み集合場所へ向かう途中、一緒だった友人がのんきにのたまいます。

「あのなぁ、こうなったのは誰のせいだと思ってんだよ」
「オレ様ァ〜 まさか台風直撃とは思わなかったけどなぁ〜〜〜」

鼻をほじりながらのまるっきり他人事。こいつわぁ〜〜〜(怒)

     
  ●すべての元凶

のんきに妙なサンドイッチ食ってる場合じゃないぞぉ。
判ってるんかいっ(笑)

     

そう、今回の天候不良はコイツのせいなんです。今話題の越後の国からやってきたスーパー天災男。コイツの通るところ雨は当たり前。天気がよければ大地を揺るがすという、まさにイベントごとにははた迷惑なやつなんです。しかも今回は台風まで発生させやがって・・・・決めた、これからおまえの事は『男ハルヒ』と呼んでやるぞっ!!

「まぁまぁ。台風は今夜抜けるから、明日はいい天気だよ。フィールドは知らんがなぁ〜

一緒にいたもう一人の友人がいいました。こんな雨の中、何をトチ狂ったのか自宅まで二人で迎えに来てくれていたのです。もっとも、彼は仕事で参加できないので、その語尾のきつい事きつい事。同情はしないけどさ(苦笑)
まそんな事はどうでもよくて、冗談抜きに明日の天気が心配でした。自分が濡れるのはともかく、カメラだけは壊したくありませんからね,。かといって使わないわけにはいかないので。大丈夫なのかなぁ、本当に・・・・
などと心配しながら集結地に着く頃には、雨の方もほぼやんでいました。後は風が残るだけ。これなら問題ないでしょう、たぶん。
という事で、安心したという建前で、目の前に広がる酒宴へと突入していったのでした。いつもどおりの大騒ぎ。だから必ず二日酔いなんですね、私たち・・・・(苦笑)

 
 

10月28日・朝

 

傍から聞くと非常に恥ずかしい目覚ましでおきると、外は非常にまぶしい日差しにあふれておりました。雲ひとつない――とはいえないけど、とってもとってもいい天気だったのです。まさに台風一過の日本晴れでした。

「これなら問題ないな」

出撃の三人を乗せた車を走らせながら、澄み渡る空を眺めてつぶやきました。

「でも、足元は酷そうだな」
「転ばなきゃいいんじない」
「そう上手くいけばいいけど」

予想以上の好天気。遠くに見える筑波山に富士山まで。めったにない状況に、もう、お気楽モード全開です。しかし、これらが後々もの凄い事になって返ってくるとは思いもしていませんでした。
会場まではもうすでに行きなれた道。特に迷う事もなく進んでいきます。が、次第に路面が悪くなるにつれて、イヤ〜ンな状態が現れだしました。そう、あちこちにけっこう立派な水溜りが現れたのです。

「やっぱりかぁ〜」

思っていたとおりの展開に、一同からため息が漏れます。ま、覚悟していた事なので、ショックとしてはあまりありませんでしたけど。
ともかく、そのまま一路集合場所へと向かいます。土手を越え、視界を遮る葦原を抜けたそのときです。ものすごい光景が飛び込んできました。

「な、なんじゃこりゃぁ〜〜〜」

一瞬、一同の元にジーパン刑事が降臨されました。なにしろ、道の両側にうずたかく小枝のような物が積み上がり、雪の壁ならぬゴミの壁を形成していたのです。こんなの初めて見ました。おかげで狭くなった道を恐る恐る進んでいくと、スタッフの方が待っていました。

「参加者の方ですか?」
「はい。
漢組です」
「?」

仲間内の隠語を使ってもわかるわけないって(苦笑) 北側参加だと改めて伝えると、駐車スペースの指示を貰いました。ま、勝手知ったるなんとやらなので、そのまま何事もなかったかのように向かいます。途中、相も変らぬ米帝傀儡軍の車両の多さにため息をつきながらも、無事到着です。

     
  ●いつもの駐車スペース

判りづらいですが、ものすごい状態です。ここでこれだけなんだから・・・・考えたくない(苦笑)

     

足場の悪いのが予想されるので、着替えをしながら荷物まとめていると、迷彩服に長靴姿というミョウチクリンなカッコをした人が通りかかりました。どうやらスタッフさんのようです。

「いやぁ、天気がよくなったのはいいんですが、今日はきてますよ。この辺です

と、はいていた長靴を飛び越え、膝下すぐのところを押さえます。

「・・・・そこまできてますか」
「きてますねぇ。おかげでこの靴、意味ないです。保湿効果カンペキ。乾燥肌でも怖くないですよ」

と笑いながら去って行きました。
いやぁ、なんだか現場は予想を超えた状態であるようで。覚悟していたとはいえさすがにビビリモード入っちゃいますね。しかしゲームは待ってくれず、急いで着替えを終えると弾速測定へと向かいました。
しかし、両側うず高く積まれたゴミの山と、すし詰め状態の車の間を歩いていると、いつもながら映画「アルディンヌの戦い」のOPを思い出してしまいます。今回は特にイメージが重なりますね、なんとなくですが(笑)
そうして測定場所までやってきて見てまたびっくり。いつもの米帝傀儡軍の本拠地までもがゴミで埋まっていたのです。そりゃもう見事なほどに。

     
  ●米帝傀儡軍 本拠地(だった場所)

これまた見づらいですが、もう本当にゴミの海。ここに設営する猛者はさすがにいないでしょう。いたら格好のネタですが(笑)

     
     
  ●緊急避難

というわけで、近くの丘の上に避難している米帝傀儡軍。

     

もちろん、すぐ近くの開会式会場も同様です。ゴミが一杯ばかりか、そこにこれまた目を覆わんばかりの数のカタツムリが発生していたのです。

「か〜い〜よぉ〜 お持ちかえりぃ〜」

普通ならもそんな気にもなるんでしょうが、これだけ湧いてると逆に気持ち悪いですね。いったいどうやったらこうなるのやら。
会場付近では、すでにフリーマーケットの準備が進められており、出物を探してうごめく人人人のすごい事。今すぐ買うわけではないのでしょうが、事前の品定めといったところでしょう。当然、その中に我らの物欲魔人殿の姿もありました(笑)

     
  ●闇市に群がる米帝ども

さすがに武力徴発は行っておりませんでした(笑)

     
     
  ●物欲魔人ふたたび(笑)

ジャンクマニアの「昔はよかった堂」店主。
なにやら気になる品があった模様。買え、買っちまえ(笑)

     

しかし暑い。台風一過という事である程度は予想しておりましたが、ここまで暑くなるとは思いませんでした。もう11月になろうというこの時期に、裸で水浴びしたくなる陽気っていうのはどんなもんなんざんしょ。そう、まさに残暑です(爆) 

     
  ●この明暗差

ほんとに日向は暑いです。季節間違ってんだろ、地球。これも温暖化のせい――違いますね(笑)

     

幸か不幸か天気にだけは恵まれるんですよね、このイベントは。特に今回は本当に天気だけでしたけどね・・・・
と、そんな人ゴミの中に見慣れた姿を見つけました。そう、隊長殿であります。先方も気がついたようですが、お互いにいまひとつ確信が持てず、疑心暗鬼なのがアリアリとして見て取れました。が、そこは同志。すぐにお互いを認識する事ができました。

「ああ、どうもどうも」
「今回も一緒になれるといいですね」
「なに、始まればこっちのもんでしょ(苦笑)」

ああ、もう阿吽の呼吸ですか(爆笑)

     
  ●隊長殿発見!!

前回の隊長殿であります。今回も隊長殿でありました(笑)
相変わらず怪しいアイテムを手にしての登場です(笑)

     

などとしているうちに、開会式を開始するので集まれというという案内がありました。足元のカタツムリに負けず劣らず、ワラワラと参加者たちが集まってきました。いやぁ、いつ見ても凄い人数です。

     
  ●開会式

実際、もう手馴れたものです。

     
     
  ●ショートコント(ルール説明 笑)

こういう場で笑いが起こるのは、きっとここぐらいでしょう。わかりやすいんですが、よけいな事に気を取られる可能性のほうが大と思われ(笑)

     


開会式は、いつもと変らぬコントの応酬でした(笑) さすがに手馴れたという感じがあり、いつまでのような妙なノリは影を潜めておりました。

『なんだかちょっとつまらないな』

そんなお門違いなことを思っていると、特別ルールといういきなりの隠し玉の炸裂です。

「今回、ヘリコプターが参戦します」
「へ、ヘリコプタァ!?」

といわれて脳裏に浮かぶのは、上空を我が物顔に飛び回り、必ず敵も味方も問答無用でなぎ倒していくアレでした。が、実際はそんなわけはありません(苦笑)

「まぁ、しょせんは単なる電車ゴッコなんですけどもね」

同時に実演された様子に、一同大爆笑。いい年こいた、それも危ないカッコの大人のすることじゃありませんよ(笑) しかし、それをあえてやるのがベトベトのいいところです。だから好きです(笑)

     
  ●これが『ヘリ』だ

ほんとに懐かしい電車ゴッコ。いいねぇ(笑)
でも、実戦で見るともっと爆笑です。

     

「それで、あくまでも兵員輸送専門です。飛んでいる間は無敵です。撃たないでください。着陸して兵隊が降りてから、兵隊に対しては好きなだけぶち込んでやってかまいません」

オイオイ、それでいいのか南の大将(笑)
そんなオチがついたところで開会式も終わり、いよいよゲーム開始に向けて両陣営の移動開始です。米帝傀儡軍の陣地もどこになるのかわからなくて気ががりでしたが、それ以上にフィールドの様子の方が不安でなりませんでした。どこまで濡れるんだろう・・・・
と、そのとき重大なことに気がつきました。

オレ、靴忘れてるじゃーん

そう、装備一式無事に持ち込んでいたものの、肝心の軍靴を忘れてしまっていたのです。最悪普段履きでの参加も考えたのですが、さすがに健康サンダルではホーチミンサンダルといいはるのも心苦しい。だいいち怪我が怖くて動けませんって。心中かなり狼狽してしまいましたが、たまたま一緒に来ていた仲間が予備の物を持っていたので借りる事でどうにかなりました。普段の状態ならばかまわないのですが、今日の状況を考えるとさすがに気が引けてしまいます。がぁ、背に腹は変えられません。そそくさと借り受けると、そのまま出発地点へと向けて移動を開始したのでした。

     
  ●移動開始

ワラワラとスタート地点へと移動です。
しかし、この後・・・・

     

しかし、この先にそれ以上のとんでもない事態が待ち受けていようとは、まったく予想できませんでした・・・・

 
 
 

続く・・・・

 

 

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