−− 序 後 −− |
さぁ、荷物を持って出撃地点まで元気よく行進です。もうこうなれば足場の悪さなんか何のその。勢いだけで進みます。とはいえ、前回のように突っ走りすぎて意味のない迷子にならないように注意していたのはいうまでもありません。 そうして進んでいく事しばし。非常に見覚えのある場所へとたどり着きました。そう、前回の野営地となっていた場所です。葦やらススキやらよくわからない植物が生い茂り、一面に菜の花の黄色い花と独特の香りが漂っています。一段低くなった場所がフィールドです。前回はここまで水がきていたのがウソのような景色でした。 ウソのような景色といえば、その場にたどり着いたみんなが絶句するような物がもうひとつありました。それは、ちょっと窪んだ木陰に、まるでうち捨てられているかのように放置されていたテントを見つけたからです。先日遠くの世界に旅立って行ってしまったアレのようです。 「・・・・これって、目印のテントだよねぇ」 そう、流れ着いて放置されたというよりは、設置したものの、何かの拍子にひっくり返って崩れ込んだといった感じアリアリなのです。 「とにかく、ちゃんと設置しちゃいましょう」 有志がテントを引きずり上げると、まるで祭の御神輿のように担いで移動開始です。といっても、ほんの目の前の平地に建て直しただけですが。
「この辺でいいよね?」 肝心なスタッフさんが不在の中、古参メンバーたちが思い思いにピーチクパーチクやっていました。以前の記憶といっても、フィールド自体が違っているんですから、まったく何の役にも立ちません。そのうちめんどくさくなったのか、テキトウな場所に放り投げると、そのまま強引に設営開始です。
そうこうしているうちに無事テントも落ち着き、ここを本部と勝手に決めた我々は、その周辺に荷物を展開し準備を始めたのでした。
そんなときでした。まるでGメン75のオープニングを髣髴させるように、横一列になって悠然とスタッフの方々が現れたのです。脳内にリフレインされるメインテーマと共に、在りし日の俳優たちの姿とダブったりします 「ああっ、あの丹波哲郎はっ!?」 見つけてしまいました。丹波哲郎の場所にいるお方のお姿を。頭に「ヤ」の付く元村長さん―― (^^; 「ああ、遅くなりました。あと、諸般の事情から、本部をもう少し向こうに移動しましょう。すばやい移動をお願いします」 すでに陣地開墾を終えていた我々は、思わず目が点。広げた荷物をもう一度片付けろっていうんですかっ!!
スゴスゴと荷物を取り上げると、指示された所まで移動です。といっても、ほんの十数メートル程度の移動でしたが(笑) そこで改めて準備再会です。やいのやいのと進めていると、元村長さん改め今回は党指導員長――どちらもたいして変わりませんが――から集合の合図がかかりました。ワラワラと集まってくる緑と黒の蠢くモノたち。 「えー、最初に部隊分けをします。とりあえず緑虫が正規軍。クロ○ボが解放軍です。で、解放軍はさらに二つに分けましょう。なので、適当にわかれてっ」 いつもの通りのアバウトさ(笑)
色分けと人数分けで部隊が決まると、さらに説明が続きます。 「今回も正規軍は正規軍。解放軍は各部隊ごとに、われわれの指示に基づいて行動してもらいます。自由勝手気ままに行動することの無いように、いいですねっ!!」 でたぁーっ、必殺の本職威嚇(笑) 眼力すさまじく一同を見回すそのしぐさ。この迫力に逆らえる人はいないでしょう。
とはいえ、始まってしまえばもうこっちの物だというのもいつものことなのですが、これはあくまでも公然の秘密ということで秘密にしておきましょう(笑) で、ここでシシンギングターイム。各部隊で隊長の選出が行われます。解放軍の場合は村長という名目のようですが。ま、内容は変りません。
が、そこはやはり隊長殿。ノリはいささかも変わりがなく、一人ぶっちぎりで世界に突入して行きました。さすがです。
そうして、ひととおり説明が終わり、その他の質問を受け付けていたときでした。 「何かありますか?」 と、いきなりスタッフの一人がボケをかましまします。それはさっき言ってたじゃん――と思う間もなく 「ダメだっていったろっ!! ちゃんと聞いとけっ!」 パ ン ッ!! 党指導員長のツッコミが入るのが早いか、どこから取り出したのかわからないパンパン鉄砲で、即座に相手を撃ち倒してしまったのです。撃たれたスタッフさんはそのままひっくり返ると、仲間の人たちに粗大ゴミとして処分されてしまったのでした。ナムー(苦笑)
とか、さすがに場数を踏んで慣れてきたのか、もう細かいネタが出るわ出るわ。マジメな説明のはずが、なぜか笑いにあふれ返っているという、ここならではのシュールな状況をかもし出しておりました。これが楽しいんですがね。 とまぁ一応の説明が終わり、各自最終準備の確認に戻ったそのときでした。盛んに本部と連絡を取っていた、先ほどやられた後ゴルゴダの丘から復活したスタッフさんが、慌てて向き直ると叫びました。 「みなさんっ、大変な連絡が入りました!」 作業していた手が止まり、視線が一点に集中します。スタッフさんの表情もいつになく固い。何かあったのか? その場には不似合いな緊張感すら漂ったのです。 「・・・・もう米軍は移動を開始したそうです」 一同脱力。最後の最後までネタですかぁ〜 いつもの事ですけどね(爆笑) それはともかく、これで今日のゲームがなし崩し的に開始となったのでした。 続く・・・・ |
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