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前線から戻ってきて、それはすぐに起こりました。そう、我々が期待していた「隊長劇場 第二幕」です(笑) 「報告いたします。あの・・・・我らが国旗を米帝どもに奪われてしまいました・・・・」 党指導員長の前にかしこまった隊長殿は、恐怖に顔面を引きつらせながら報告です。もうその姿には敗者の悲哀のようなものまで浮かんでおりました。 「なんだとっ!?」 報告を聞いた委員長の目が、瞬間に怒りに輝きます。 「我々にとって国旗はもっとも重要な物である。わかっておるのかっ!!」 えっ!? いつの間に裁判なんて開廷されてたんだ? その場にいた一同が思わず顔を見合わせます。それは隊長殿も同じ事。ですが、前もって覚悟を決めていた人は違いました。顔色ひとつ変えず、立ち尽くしていたのです。というか、もうちゃんと話を聞いていなかったんじゃないかと思いますけど(笑) 「死ねっ!!」 いうが早いか、例のパンパン鉄砲が火を噴きました。弾かれるように倒れこむ隊長殿。いいわけひとつさせてもらえないとは、さすがは頭に「ヤ」のつく指導員長(笑)
しかし、隊長殿も負けてはおりません。いまわの際のひとことです。 「私が死んでも、代わりはいるから・・・・」 その瞬間、サンヘルメットを被ったクローンが、水槽にウゾウゾと蠢いている姿を思い描いてしまいました・・・・オエッ(笑) それこそ員長に処分して欲しいモノです(^^
「仕方ない。レッドスネーク、カモーン!」 と、なぜだかすでにスタンバイしていた新しい隊長殿を、間髪いれずに呼び出します。しかし、それは、まるでインチキへび使いかのような気軽さでした。おかげで、なんとなく、かくれんぼのうまい親父が出てきてしまうのではないかと思ったのは私だけでしょうか(笑) まぁ、あっちの人は本当に強いんだけどさ(笑) 「よし、最初の任務だ。先代が取られた旗を取り返す。まずは情報だ。捕虜を集めてこい、いいな」
そのときです。米帝傀儡軍が接近中との連絡が入りました。これは願ってもないチャンスです。 「よし、みんな行くぞぉっ」 というが早いか、相手の場所も確認する間もなく飛び出していきます。さすがは新しい隊長殿です。意気込みが違いますな。
ともかく、敵が侵入してきたと思われる場所へと向かいます。
すでにそこでは激しい撃ち合いがおこなわれていました。深く生い茂った枯れた葦に阻まれ、敵の姿は確認できません。が、攻撃は激しいほどに襲いかかってきます。どこにいるのかわからない相手。これほど性質が悪いこともありません。
半分めくら撃ちの状態で、ひたすら音のするほうへと進んでいきました。 パ タ タ タ タ ひときわ音が大きくなったかと思うと、激しい痛みが全身を襲います。次々と撃ち倒されていく同志たち。突進、迂回、ありとらゆる思いついた手段をこうじて肉薄していくしかなりません。
「よぉっし、捕虜だ捕虜。とっ捕まえて引っ張ってこいっ」 嬉々として負傷した米帝どもに掴みかかると、そのまま本部陣地まで強制連行です。あれよあれよという間に人数が集まります。必死になるとここまで違うものなのでしょうか(笑) とにかく、本部に戻って尋問です。
「さぁ、名物の捕虜イジリだよぉ〜」 気の抜けた言葉と共に、いよいよ尋問が始まりました。
最初に連れ込んだ一団を座らせると、隊長殿が詰め寄ります。 「おまえたち、旗をどこに持っていった?」 先程と同じ反応がです。デフォなのか米帝の(笑) 「そんなことはどうでもいい。問題は、旗がどこにあるかだ。白状しろ」 というと、手にしていたエルマ38/40型マシンピストルを持ち上げて見せつけます。 「なんなら、コイツでロシア式の度胸試しをやってみるか?」 おいおい。オートマチックのロシアンルーレットって・・・・しかもその鉄砲、フルオートしか無いじゃんか(笑) 「中国製のドイツ物だ。動作は確実、威力はバッチリだぞ。どうかね?」 もう、いっている事がミョウチクリンでしたが、いつにない気迫が漂っています。<窮鼠ネコを噛む>という状況なのでしょう。これには、さすがの米帝どもも顔色をなくしました。さすがにフルオートのロシアンルーレットは恐怖でしょうし(笑) 「ま、まて・・・・ああっ、なんだおまえ。その背中にあるのは?」 もう何がなんだか・・・・(笑) まるでシロウトお遊戯会のような、緊迫感のない棒読みのセリフのやり取りが行われたのです。なんか朝にも見たような気がしますが、それは気のせいでしょう(苦笑)
「――現在の状況を連絡してください」 ホントのわけないじゃん(苦笑)でも、三人目の登場を阻止したい隊長殿は、もう何がなんだかわからない熱狂状態で力技で話を進めます(笑)
「大至急、見つけたいのであります。欲しいのであります」 カミナリの一喝があると同時に、無常にも無線は切られてしまったのでした。隊長殿は、すでに不通なのにもかかわらず、呆然と送話機を握り続けておりました。まぁ、ムリもないよな、あれじゃ(笑) 「怒られちゃったじゃないかぁ。旗はどこなんだよ、旗はっ。 「うわぁ、カンケーないじゃん、オレたち。ヤツ当たりだぁーッ」 いうが早いか、指導員長から無断拝借したパンパン鉄砲で、手当たり次第に撃ち始めたのです。当然、米帝どもからは抗議にも似た悲鳴が上がります。が、そんなもの聞く耳持たない隊長殿でありました。弾が尽きてもなお引き金を引き続けていたほどです。
「・・・・あ、またやっちゃったよ・・・・」 ややあって我に返った隊長殿は、目の前の状況に気がつきました。貴重な情報源をイタズラに消耗してしまうという行為、これは我々の伝統なんでしょうか(苦笑)
「・・・・まぁ、仕方ない。その辺、適当に片付けといて。それよりも、我々は旗を探しに行かなければならない。米帝どもの抵抗でいまだ所在がわからんが、そこは根性だ。出発っ」 うわぁ、もう完全に知らんぷりモード。そもそもの原因はあなたなのにぃ(笑)
隊長殿はじめ、正規軍一同改めて装備を整えると、何事もなかったかのように再出撃していったのでした。かわいそうな米帝の捕虜・・・・(苦笑) などとバカな事をしている間も、正規軍はぐれ者と解放軍部隊、米帝傀儡軍間の激戦は続いておりました。というか、相変わらず押され気味なのはわれわれなのでしたが(苦笑) おかげで、目前のブッシュに踏み込んだ瞬間に、米帝傀儡軍との遭遇戦に突入という現状が待っていたのです。しかし、そこは本部(復活ポイント)が近いという地の利を生かした人海戦術で、どうにか米帝どもの侵攻を跳ね返す事に成功できました。
時は過ぎ、間もなくお昼休戦になろうかという頃、残念ながら今もって旗の奪回はおろか、その所在さえも不明のままでした。隊長殿のやるせなさは絶頂に達し、挙動が再び怪しくなりかけていたのです。まぁ、自分(ということにはなってないけどさ)悪いんだからしたかないんだけどね(笑)
「おおっ、帰ってきたっ」 その場にいた者たちが一斉に歓声を上げます。どこをどうやって取り返してきたのかわかりませんが、めでたい事には違いありません。これで安心して休戦を迎えられるというものです。隊長殿の顔にもやっと安堵の色が浮かびました。 しかし、事態はそう簡単に休ませてはくれなかったのでした・・・・ 続く・・・・ |
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