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―― さあ、休戦だ。楽しいゴハンの時間だよぉ ―― と、鼻歌交じりで自軍本部へと戻ったときでした。待ち構えていた党指導員長から、予想もしえない言葉が告げられました。 「これから米軍陣地へイヤガラセに行きます。準備してください」 ・・・・ ドウイウコトデスカァ ・・・・ 話を聞いてみると、やはり相手も休戦時間だという事で油断しているだろうから、そこを突いて一泡吹かせようという事のようです。確かに作戦としては面白いと思いますが・・・・いや、なにもそこまでしなくても・・・・休憩は休憩しようよ・・・・ 「さぁ、急いでっ。タイミングが勝負です!」 ンな事いったって、こっちにもタイミングってものが――チラリと視線を送ると、それ以上の言葉は続きませんでした。にこやかな表情を浮かべて、委員長がこれ見よがしに例のパンパン鉄砲を手にしていたからです。言葉は優しいものの、有無をいわせない強制でした。やっぱりな(笑) 「さ、さぁっ、諸君、出発だ。行くぞっ!」 真っ先に逃げ出し――いや、出発したのは、やはり隊長殿でありました。さすがにあの威力を間近に体験しているだけはありますな(爆笑) ホーチミンルートと呼ばれる比較的足場のいい通路を通り、米帝傀儡軍本部へと肉薄していきます。当然、途中での攻撃はまったくありません。難なくすぐ目前までたどり着く事ができたのでした。
『ここまではいいんだけどな』 そう、まだ相手側からは死角の位置ですから。これから先が勝負なのです。後は見通しのいい一直線。一気に駆け抜けるしかありません。大丈夫なのかなぁ・・・・かなり不安。 「・・・・よぉ〜し。みんな、行くぞぉーッ 覚悟決めろよぉ!!」 ここまできたらグダグダいってはいられません。進むも地獄なら戻るも地獄。同じ撃たれるなら、漢としては前のめりです。(まぁ、個人的には新撰組のファンなんでアレですが・・・・関係ないけどね(苦笑))
が、<予定>は<未定>で<決定>ではありませんでした。というか、思っていた通りの惨状となったのです。相手の不意を突いたはずが、なぜか米帝どもの雨のような弾幕に遮られ、先陣をきっていた者はたちまち討ち取られてしまッたのでした。
確かに、ほとんどの連中はまったりとしていたのですが、一部の熱狂的なヤツラが待ち構えて反撃をしてきたのです。なもんだから、高をくくっていた後続の部隊も遮蔽物に身を隠しているのが精一杯という状態になってしまったのです。見事なまでの『対不意討ち待伏せ防御攻撃』です。なんだそりゃ(苦笑)
「なんだよ、話が違うじゃんっ」 騒いだところで後の祭り。二進も三進も行かなくなった先陣は、出遅れて取り残された後衛部隊の見守る中、米帝傀儡軍に投降するしか手が残っていませんでした。くぅ、屈辱ですぅ・・・・
「撃つな同志。投降する」 と、そこへ颯爽と現れた威風堂々としたその容姿、どこかで見たことあるような・・・・ああっ!? あのお姿は、あのバ○ク・オム閣下ではありませんか? 似てるよな? そう決めた、うんうん(笑)
「指揮官は誰だ?」 誰も答えるわけがありません。が、悲しいかな、無意識のうちに視線が隊長殿に集まってしまうのは避けられません(苦笑) 「おまえがそうか。そういや、なんか偉そうな装備を持ってるな。ちょっと見せろ」 と、どこかで聞いた事のあるいいわけを口にしながら、腰に付けていたマップケースを守ろうと懸命です。重要書類を敵に渡すまいとするのは、さすが隊長殿です。素晴しい。
「そうか。それはちょっと残念だ。これから我々はランチだから、食いながら話をとも思ってたんだが・・・・」 うわぁ、食いもんにつられたよこの人(笑) まぁ、米帝の食い物はいいってのが一派的ですからね。戦場でビフテキ食える国ってそうそう無いよな(笑) 「じゃ、私は副隊長で」 終戦直後の戦災孤児らか君たちは(苦笑)
それは直面した米帝も同じだったようで、さすがの閣下も、なかば顔を引きつらせながら対応に苦慮しておりました。 「あーうるさい。お前たちは自分の飯を食いに帰れっ」 日頃の自軍の捕虜の扱いを見慣れている我々には、思いもしない事でした。貴重な武器を手放すのはためらいを覚えましたが、無事に帰れるとあれば話は別です。隊長殿一人残していく罪悪感など微塵も感じることなく(オイッ 笑)、来た道を戻ろうとしたそのときでした。聞き覚えのある音と共に激しい痛みが全身を襲ったのです。 「なんていうと思うか、バァーカ! くたばりやがれ、アカどもっ!!」 「またですかぁ〜 (涙)」
そうです、米帝傀儡軍の卑劣極まりない騙し討ちでした。オレら以上にやる事えげつないじゃん。さすがは閣下(笑) しかも念入りに止めを刺してまわるという周到さ。ほんと容赦ないよな(爆笑) 「おおぉぉぉ、なんて事をするんだぁ。この人でなしっ! オニっ!、アクマっ! 党指導員長っ!!」 惨状を目の当たりにした隊長殿は、バ○ク・オム隊に悪態の限りをついたのです。なんか、最後の方にチラリとホンネが出てしまっていたようですが・・・・聞かなかった事にしときましょ(苦笑)
「じゃぁ、お前も食っとくかぁ?」 哀れ隊長殿も閣下のランチの犠牲となったのでありました(笑)
という事で、隊長殿、今回二度目の、今度こそは本当の戦死となりましたとさ(笑) ――なんて苦労をさせられて予定時間が大きくずれ込んで、ようやっと昼休戦を迎えることができたのでした。あぁ、疲れた・・・・(苦笑) 続く・・・・ |
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