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「では、北側兵士の諸君、これより米帝へと攻撃をしかける。直接攻撃では分が無いのかわかった。よって、今回は陣地から出てきた所を狙い撃つ手はずにする」 昼食休戦も終わり、攻撃再開となると同時に、党指導員長から指示が飛びます。
「よし、では総員出撃!」 どっからくるのか判りませんが、もの凄い自信です。過去、毎回のように陣地を脅かされているのを覚えていないのでしょうか・・・・あぁ、そういえば久しぶりでした。あの当時はまだ強かったですもんね(苦笑) 隠密行動という管制下、午前中の戦いですでにヌチャヌチャグチョグチョになってしまった通りを、党指導員長を先頭に足早に駆け抜けていきます。
この期に及んでも変わらず米帝どもの展開は遅々として進んでいないようで、特に抵抗を受けることもなく、目標としていた敵本陣への連絡口付近へとたどり着いたのでした。
「よし、身を低くして、見つからないように。この先が目的地だ。この付近で展開、敵を待ち伏せする」 党指導員長の指示を、隊長殿が伝達していきます。敵の目前という事で、大声を上げての連絡ができませんから。こういうときは米帝どもが持っている無線電話が羨ましく思えます。さすがは成金国家の軍隊だけはある(笑)
しかし、肝心の米帝が姿を現さない。展開しているらしい気配は確認しているものの、実際に目にすることが無ければ何の意味も無い事には変わりないですし。 「いたぞっ」 同時に響き渡る発泡音。つられるようにまわりの者も撃ち始めます。すぐさま呼応するかのように米帝側からも激しい攻撃が返ってきました。ついに戦端が開かれたのです。
物陰に身を潜めながら、姿の見えない相手に手探りのまま撃ち返します。もう、周りが撃つからオレも撃つという状態。まるっきり新兵みたいな戦いかたです(笑)
「らちあかんな」 そう思い始めた頃ですか、またしても緊急連絡が入ったようです。 「本部に敵の先遣隊が接近。かなりの大部隊の様子。救援せよ」 別働隊からの救援要請でした。だからいわんこっちゃない。現状のこう着状態から逃げ出すかのように、慌てて引き返したのはいうまでもありません(苦笑)
戻ってみると、第一波はどうにか撃退に成功したようで、まだ本部は無事でした。次の襲来を予感しているのかいないのか、緊張したような、それでいて呆けたような奇妙な感覚が漂っておりました。とにかく、何をさておき、いまは防備を固める必要が先決です。慌てて装備の点検・補充をしていると―― 「第二波発見。迂回して接近中」 予想通りやってきました。北側得意の人海波状攻撃です(そんな大袈裟なモンじゃないですが 苦笑) さすがに敵も状況を学習しているようです。一番近い真正面の通路を使わずに、射界ギリギリの足場のいい所を進んできます。
本部目前には、湿地帯という言葉を超えた大きな水溜りがあり、ここを避けて突入してくるには二本のルートしかありません。近い方は我々が押さえております。なので、リスクを押さえた突入となると、必然的に遠い方まで迂回する事になるのです。事実、米帝傀儡軍どもはその通りに行動していたのですが。
「しかし、何であいつら水に入らないんだろうな? たいしたこっちゃないのに」 散々米帝を追いかけ回した後、指導員長が何気なくポツリとつぶやきました。 こちらはおかまいなしに突っ込んでますからね(苦笑) 「さ・・・・さぁ、何ででしょうね。自分にはわかりません」 とっさに辺りを見回す隊長殿。その場に自分しかいないことに気がつくと、緊張の面持ちで答えました。 「そうだよなぁ。知りたくないか?」 眼光鋭い一瞥に、隊長殿もう顔面蒼白(笑) 「だろう・・・・じゃ、聞いてこい」 はい、誰もいません。諦めましょう隊長殿。適任といえば適任なんだし(爆笑) 「お前ら、何でまっすぐこないっ。水が怖いのか?」 これって、いろんな意味でリアルといっていいんでしょうか・・・・本物なら退役は嬉しいはずなんですけどね(苦笑)
ともかく、そんな家庭のジジョー&隊長殿の苦労は放っておいて、なぁ〜んも考えていない我々は行ったり来たり攻撃を繰り返します。 「えっ?」 そうです、手前のお坊ちゃんたちに気を取られているうちに、かなりの部隊が迂回して奥の通路から侵攻してきたのでした。今朝我々が初めの一歩を踏み出したあの通りです。
木立の影にちらちら見える緑色の物体にこちらも即応――と思いきや、先の妙にリアル感のある部隊を追いかけるのに無我夢中。誰も気がつきません。何でなんだかね・・・・撃たれてるのに(苦笑)
しかし、米帝側の侵攻も慎重で、いまなら一気にローマまで駆け抜けられるというのにもかかわらず、ブッシュ代わりの菜の花を恐る恐る超えているという調子なのです。そのさまは、今にも従軍記者のロパート・ミッチャムの罵詈雑言が聞こえてくるかと思うほどでした(笑) もう、どっちもどっちといった状況ですな(苦笑) 「こっちにも居るぞぉーッ」 と、さすがにその姿に気がついた者の雄叫びで、現状に気がついた一部が慌てて駆けつけます。
続く・・・・ |
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