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さて、とうとう泣いても騒いでも最後の作戦となりました。今までは決って突撃戦でしたが。今回は少々違っておりました。 「少しばかり準備をする必要があるので、時間稼ぎに取りあえず米帝どもにイヤガラセしてこい」 なんていう命令ですか(苦笑) しかし逆らうツワモノはいませんから、素直に米帝陣地へと攻撃に侵攻開始です。
米帝側も最終攻撃という事もあってか、なにやら作戦準備をしていたようで、主戦場にその姿を見つける事はありませんでした。という事で、必然的に相手の本部への直接攻撃となったのです。が、そこは腐っても敵本陣。半端ない火力で撃ち返されます。
もともとただの嫌がらせの予定だったので、こちらに作戦など微塵もあるわけがない。十字砲火に近い攻撃を浴びると、ほうほうの体で逃げ帰ったのはいうまでもありません。二倍以上の人数比に突っ込むんですから、当然ちゃ当然の結果でした。ま、いつもの事です(笑) そうして字軍陣地へと戻ってみると、いつの間にやら巨大なトーチカが造られておりました。しかも、ものすごい中途半端な状態で・・・・ 「資材が足りずこうなった。本部に要求していたんだが、割り当ての半分も集まらなかった」 本来は、前面を中心に三方をダンボールという名のベトンで強化した要塞を構築するはずであったらしい。が、じっさいは、悲しいかなほんの障害物にしか使えないほどの量しか確保できなかったのでした。結果、頑強な要塞には程遠い、学園祭のオバケ屋敷のような建造物が出現したのです。
「見てくれを気にしてはいけない。心の目で見るんだ。ほうら素敵な大要塞に見えるだろう」 心の目で大要塞に見えたとしても、実際は――なのですから・・・・なんの解決にもならないのではないかと思うのですが・・・・しかし、いいはるところがさすがは漢(笑) 「障害物は自由に設置してかまわないから、好きな所に陣取ってくれ」 そういわれても、肝心の障害物が少ないのだから・・・・いわれた我々もどうしてよいかわからず、ただただ手をこまねいていただけでした。もう少し・・・・もう少し大きい箱があれば―― 「諸君、これで偽装は完璧だな。もう見えまい」 うっわぁ、完全だよ。懐かしいなぁ〜(爆笑) しかし、さすがに箱がちっさ過ぎました。そのあまりにもシュールな姿に、周囲からは『スネーク』という声が爆笑と共に上がっておりました。そうか、普通は『MGS』って発想になるんだねぇ。
しかし、私には別の意味、あまりにも懐かしい思いに笑っていたのです。うちのメンバー以外はわからないネタですが、機動トーチカ、その名も『ポストマン』。いやぁ懐かしいです(笑) 「会敵までは通常攻撃ですが、接近戦になったら空砲に変えます。それは合図をしますので、間違えないようにしてください」 前回から導入されたシステムです。相対的な危険から考えれば最良の方法ですが、盛り上がりは参加者の演技にかかっているという、なかなかにハードルの高い方法でもあります。が、そんな不安などイケイケ軍団の我々には関係ない事でした(爆笑) そんなこんなをしていると、唐突に警報が響きました。 「きたぞぉ〜 注意〜!」 瞬間にはしる緊張感。それまでノホホンとしていた同志たちは慌てて配置につきます。もちろん隊長殿はダンボール箱を被ったままで――ウソです、ごめんなさい(苦笑) 箱を盾代わりに貧弱な火点の構築です。
どうにかカッコが付くのとほぼ同時に米帝傀儡軍どもが姿を現しました。さすがに、以前のような聞こえないワーグナーをBGMに巨大な電車ゴッコという事はなく、ただゾロゾロと歩いてきただけでした。相変わらず状況説明をしているアナウンスは付いていましたが(笑) 「はい、いまは輸送ヘリに乗ってます。まだ撃たないで下さい」 あのぉ、いつも思うのですが、対空攻撃兵器という設定はなしですか・・・・(爆笑) 「はい、着陸! ヤローども、突っ込めぇー!!」 こちらの隙を突くかのような命令が飛びます。そんなンありかよぉ〜
しかし、正面きっての突撃などするわけもなく、こちらの射撃の合間を縫うように、一人また一人と通路を横切って茂みの中へと姿を隠していくばかり。面白くないのは我々です。 「くそぉー、あたんねえよぉ」 と指差したのは、米帝どもと一緒に行動していたカメラマンでした。ちょうどいい具合というか、米帝の勇士を記録しようという彼のすぐ後ろを、米帝どもが横切る形で進んでいくのです。もう、これはキマリでしょう(笑) 米帝が横切るたびに悲鳴を上あげていたのは、実は彼だったというのは公然のナイショです(爆笑)
などと遊んでいるばかりにはいきません。少数とはいっても、敵が側面へと回り込もうとしているのです。すでに展開していた同志たちとの撃合いの音も聞こえました。膠着状態の正面は他の同志に任せて、銃声のする方へと飛び込みます。すぐさま出迎えてくれる手痛い歓迎委員会。慌てて身を隠すと、好機を待って反撃です。目前の草陰を見え隠れする米帝の姿。もうメクラ撃の乱戦となったのでした。あちこちで上がる悲鳴。もうメチャクチャです。そういえば、今日まともに撃ったのはこのときだけだったような気が・・・・(苦笑) 「空襲ぅぅぅ〜」 という叫びと共に響きわたるクラッカーの不協和音。設定変更の合図でした。 とたんに沸き起こる大歓声。演技力がモノをいう最後の激突が始まったようです。 そこでは思ったとおり両軍の『演技』という名の力のぶつかり合いがおこなわれておりました。累々と横たわる両軍の者たち。その中を果敢に飛び込んでいく人影。かと思うと、たちまちのうちに崩れ落ちていったのでした。
ドイツ対ロシアの東部戦線を思い起こさせる大消耗戦。体力の勝る方が圧倒的に有利な戦い方です。となれば結果はいうまでもありません。なぜか史実と違い、従軍人員に劣る我々が押し切られてしまうのは明白でした。 − 武士道とは、死ぬ事と見つけたり − と思ったかどうかはおいといて、同志たちは次々と浜辺に押し寄せるイルカのように突っ込んでいっては、見事に散っていたのであります。そりゃもう派手に(苦笑) 『ヤラセはせんぞっ、ヤラセはせんっ!!』 聞こえるはずのない、その前にいうはずがないし字も違う(笑)、某中将殿の決めセリフを勝手に脳内補完してしまいます。しかし・・・・カタカナはないだろう(笑) 当然、結果はいわずもがな。進むのもままならず、瞬く間に地面へと崩れ落ちたのでした。これに喜んだのが米帝たちです。
そうしているうちにも、事態は完全に掃射戦と変わり、毎度のごとく人員ではるかに劣る我々が駆逐されるという結末となったのでした。
さすがに二回目という事もあって、空撃ちによる進行もだいぶ慣れてきたようです。あとは個人のノリと演技力だけが問題ですか(笑) こうして本日の作戦はすべて終了となりました。
あとは閉会式を残すばかりです。 続く・・・・ |
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