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「諸君の指揮官は誰だ!?」 陣地にたどり着くと、すぐさま尋問が始まりました。いつにない大人数の捕虜に、周囲を固める同志たちも、いつになく楽しんでIいるのがわかります。ニヤニヤとしながらはやし立てています。
「おまえか!」 手近にいた者を捕まえます。困ったのはその相手。慌てて首を振りながら否定しました。 「し、知らない。オレはまだ入隊したばかりなんだ。他のやつに聞いてくれ。そうだ、コイツがいい!!」 コイツでいいって・・・・(苦笑) もう勝手に仲間を指差したりしてます。 「まてっ、ぼくも違う。この間までルイジアナで学生をしてた新兵なんだ。隊長は確かコイツだよ」 いつの間にか仲たがいを始めたりして(笑) このままほっといても面白いんですが、それでは話が進まないので止めておきましょう。 「まてまて。おまえたち、自分の部隊の指揮官がわからないはずないだろう?」 さすが相手も慣れたもの。のらりくらりとかわしてきます。いやはやぶっトボケもここまでできればさすが(笑) 「誰だっていいっ。何なら無理やり思い出させてやってもいいんだぞ!?」 と、得意のパンパン鉄砲なんかをちらつかせます。 「ディアハンターって映画があったな。おまえ、やってみるか?」 そういうと、銃口をこめかみにあてがいました。確かアレはフルチャージでは行われていなかったと思うんですが・・・・そんな些細な事はネタの前に無意味な事は周知の事実(笑) 「ま、待ってくれ。オレはこの戦争には反対なんだ。アメリカは間違ってる。ベトナムは友人なんだ」 この状況でそんな事いわれても、誰も『はい、そうです』といえるわけないでしょうに(笑) そんなときです。不意に叫び声が上がりました。 「いたぞぉ〜!!」 そんな掛声とともに一人の米帝が引きずられてきたのです。 「これを見ろっ」 その首元に巻いてあったタオルを外すと、その襟には戦闘服仕様の階級章が付いていたのです。それが何の位を表しているのかはわからなかったんですが・・・・ とにかく偉い人だという事だけはわかりました。もう決りです! (苦笑)
「その印は、おまえが指揮官で間違いないな?」 もういったい何をいっているんだかねぇ。メチャクチャです(笑) 「あぁ、もういい。尋問は中止だ。面倒だから、判決にしよう」 相変わらず、裁判なんて開廷した痕跡すらないのに判決です。もはやこれは伝統ですか(笑) と、そこに一人の子供が連れてこられました。今日の朝に隊長殿から旗を強奪したあの勇者です。 「いいか、この子はお前らのせいで孤児になってしまったんだ。だから、お前らの処置はこの子に決めてもらう事にする。覚悟しておけよ」 といって、手にしていたパンパン鉄砲を握らせます。そして耳打ち。 『いいかい、合図したら一人ずつだかね。わかるね?』 子供は無言のままにうなずきます。オイオイ、それってちょっと違うんでないかい(笑) そんな様子を様子をながめている同志はもちろん、捕虜になっている米帝達さえも、この後のパフォーマンスに何がしかの期待を抱いていた事でしょう。みんな好きだから(爆笑) しかし、事態は予想もしなかった方向へと向かってしまったのでした。 「よし。いまから判決を伝える――って、あぁっ!?」 そういって改めて振り返ったときでした。 パン パン パン パン パン パン パン いきなりの発砲音です。そう、周りの大人の思惑などおかまいなしに、子供が楽しそうにありったけの弾を乱射してしまったのでした。オモチャを手にして待てという方が無理でしょう。わかるけどね(笑)
「あーあ、やっちゃった。ま、仕方ないな。次いこ、次」 結果的には毎度お馴染みの事とはいえ、予想に反した結末に、ただただ苦笑いを浮かべるしかありませんでした。やるなこいつ(苦笑)
終わっちまったものは仕方ない――と、我々は次の作戦へと行動を開始したのでありました。
続く・・・・ |
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