−− 後 後 −− |
捕虜の尋問という名の虐待ごっこを終わらせると、逃げ出すようにそそくさと次の作戦へと移りました。 「次は共同で敵陣を攻撃する。解放軍が右手から回り込むので、正規軍は左手から侵攻。両軍挟撃して敵を撃滅します」 簡単にいってくれますが、そこまで行くのが大変なんですよって。敵さんウジョウジョ待ち構えてるんだから。突破なんてまず無理だからねぇ(苦笑) 「うーん、なんだか嫌な予感がするんだよなぁ・・・・」 陣地を出発してノンビリ進んでいたときでした。進んでいく道の先に変なモノを見つけたのです。 「あれっ!? あそこにいるのって・・・・」 そうです。一本道の端と端。弾の有効距離ではありませんが、はっきりとお互いを視認できる距離ではありました。そこにいたのは間違いなく米帝一個分隊だったのです。こりゃぁ、まずいんでないかい?
道を戻ろうにも作戦上できないし、かといってこのまま進めば間違いなく全滅です。いったいどうしたものか・・・・ 「やぁ、アメリカ軍の諸君、ご苦労さん。ついては少し話があるんだが」 やっぱりですかぁ〜(苦笑) もはや我陣営の名物となってしまっている前線での直接交渉、別名 "談合" というヤツですな。 「我々はこの道を通りたいだけだ。通らせてくれるなら、攻撃はしないがどうかね?」 相変わらずムシのいい提案です。そんなことをしたって、得があるのは我々だけなのにね。しかし、そこはそれ相手をしてくれるのがここの特徴です(笑) そうして奇妙な空気の中、話し合いが始まったのです。と、しばらく話し込んでいたかと思うと、米帝が人を呼びました。やってきたのは、垢抜けないカッコから見ても、米帝に同行している傀儡軍の兵士のようです。どうやら通訳をしろという事のようでした。 「●$△¥■※#&」 なんだかわかりませんが、交渉は難航しているようです。元々ムチャな事なのですから、決裂して当たり前なのです。が、今まで一度として失敗した事もないのも事実なんですよね。不思議なんですけど(笑) そのとき、隊長殿が困ったように振り返りました。 初の決裂か――!? 身構えた我々に一言。 「まいったよ。ナニいってんだかわからない。イナカッペだこいつ!」 あぁ・・・・そっちですか・・・・(苦笑)
そんな事繰り返す事数分。さすがに面倒くさくなってきたのか、米帝の指揮官が身振りで行けと合図を始めたのです。
そうして米帝の脇を無事に通り抜け、目的地へとたどり着きました。米帝どもの展開している陣地のすぐそばです。そこには幾多の同志たちが集っております――って、あれ!?
挟撃作戦と聞いていたんですが、一ヶ所に集まっているという事は、いったいどういう事なのでしょう? どうするのかと思っていると、まったく予想のしない指示が出たのでした。 「緊急事態の発生で作戦は中止です。いったん陣地まで下がってください」 今しがた、わけのわからない交渉の結果、どうにかここまで無事にたどり着いたばかりだというのに・・・・それをまた戻れとおっしゃるのか、なんてこったい。とはいえ党本部からの指示ですから従わないわけにはいきません。
しかたなく今きた道を戻って行きます。が、ここでまた問題の発生です。先ほど米帝を追い越してきた場所に、なぜかまだあの連中が陣取っていたのです。どっか行ってなって君たち(苦笑) 「さすがに二回はないよなぁ」 ブツブツと緊急会議です。相手もこちらには気づいているようですが、先ほどの一軒があるためか対処に困っているようです。お互い様ですな。 「しかたない。ここは実力行使、武力突破で行こう」 最初は、白々しいほどに和やかさをかもしだしつつ、ゆっくりと近づきます。相手はまだ胡散臭そうにこちらを注視しているだけでした。 「いまだ。やっちまえっ!!」 充分に近づいた瞬間、隊長殿の合図が飛びます。同時に響きわたる射撃音と怒号。ゼロ距離といってもいいほどの状態での激しい撃合いの始まりでした。その弾の痛いこと痛いこと。瞬く間に双方とも被弾者であふれ返り、あっという間に戦いは終結してしまったのでした。
結果は―― ・・・・ 双方相打ち ・・・・ 一部ではなにやら白兵戦な事も行われたようですが、所詮はただの悪あがきに過ぎなかったんですよねぇ。そうそううまく行くわけがありません。やっぱりこうなる運命なんですね、我々は(苦笑)
こうして、無事に帰陣する事はできなかったのでありましたとさ、トホホ・・・・ 続く・・・・ |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||