−− 終 後 −− |
米帝特殊部隊のお情けで何とか帰り着く事のできた我々は、この雪辱を晴らすべく、正面でイヤガラセ攻撃をしている同志を除き、残りの全戦力を持って再アタックをかける事になりました。 「迂回すればいいんじゃない?」 そうでした。出口はそこ一箇所だけではないのです。慌てて地図を確認してみると、あまりにも直線で近すぎるからと自主規制されていたルートがあったのです。しかし、通常ルートではもうどうにもならないのは紛れも無い事実。背に腹は変えられません。あえて『近道』といわず『迂回』と言張るあたりは確信犯(笑) 「よし、米帝特殊部隊の裏をかいて行くから、各自注意をしてくれ」 隊長殿の言葉に一同うなずくと、陣地を後にしたのでした。 特殊部隊がうろうろしている辺りをうまくかわしながら、ジワジワと一直線に肉薄して行きます。
通常ならば足場のいい通路を使うのですが、あえて林の中を進んでいく辺り本気モード入ってます(笑) 物陰から物陰へ、ジワリジワリと進んでいく同志たち。前方のブッシュ越しにチラチラと敵の姿が垣間見えました。 このさらに奥が敵陣のはずです。そこまでもう少し――といったときでした。 バリ バリ バリ バリ 唐突に情け容赦の無い攻撃が襲いかかってきたのです。前方、そして後方から!?
そうでした。目の前で対峙している敵の他にも、状況に気がついた特殊部隊に加えて、回り込みをかけていた別働隊からも攻撃を受けてしまっていたのです。三方向からの完璧な包囲攻撃に、我々はその場に釘付けとなってしまったのでした。 ―― このままじゃいけない ―― 昔懐かしい某映画のヒロインのような台詞が脳裏を巡ります。しかし、これはあまり縁起がよくない言葉だというのは、他のみんなにはナイショです(苦笑) 「何とかあのトーチカまでたどり着けないか?」 飛び交う弾の下、隊長殿が前方を指差します。行きたいのはやまやまなれど、行けないからみんな苦労しているんではないでしょうか。こんな状況下で無事に目的地までたどり着けるのは、ハリウッドアタックができる米軍ぐらいなものですって(笑)
しかし、そのときでした。隊長殿がやおら旗を高く振りかざすと、脱兎のごとく走り出したのです。トーチカ目指して――そこに何を見たのか? 敵の総大将ことGODの姿だったのでした。このままでも所詮はビリジン。ならば起死回生の一発狙いというわけです。
が、結果は思ったとおり。奇跡的に目的地まではたどり着けたものの、総大将の守りは堅く、あっという間にその場でひっくり返ってしまったのでした。 隊長殿ピーンチッ!! 早く助けに行かなければ、捕虜にされてしまう事必至です。が、そのあまりのも厚い攻撃に、こちらも身動きできないのが現実です。刻一刻と増え続ける負傷者たちに、衛生兵の復活作業もままなりません。敵の射線はものの見事に通っていますしね・・・・ 『この状況。行くっきゃないでしょう!!!』 やられる大義名分を得てのこの行動。目立った者勝ちみたいな。ま、本当に目立っただけで終わったんですけどね(笑) その心意気やよし!
なんて事をやっているうちに、負傷していた隊長殿が米帝の魔の手にかかり、連れ去られてしまったのでした。奪還しようにもどうにもできない状況に、ただ指をこまねいている事しかできなかったのでした。
さすがに隊長殿が捕まってしまってはどうにもならず、今回も総員退却という事になってしまったのでありましたとさ。トホホ・・・・ ―― 後 談 ―― 解放後の隊長殿が興奮気味に話した事。 『 やつら酷いんだぞ。袋かぶせて連れ去るんだぜ。ここが海岸だったらシャレになんねーって! 国を間違えてんじゃないのか、あいつら 』 確かに、いろんな意味でそうかも(苦笑)
続く・・・・ |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||