−− 後 後 −− |
という事で、半ば腹いせのように追っ払われた我々は、そのままカルビ村へと向かいました。が、辺りはもう敵だらけ。どこをどう通っても出くわす事は避けられません。 「どおすっかなぁ」 帰るに帰れず、かといって進むに進めない状況に、取る行動はただひとつだけでした。 「よし、真ん中突っ切って行くぞ!!」 さすが日本人ならではの折衷案(爆笑) まぁ、悩んでいても仕方ないので、目的地目指して目前の藪の中に飛び込みます。 「悪い、間違えた。後退」 来るのも大変なら戻るのもまた大変。ブッシュを掻き分けての再出発。相変わらずな悪路ともいえない場所を掻き分け進んで、やっとの事でたどり着いてみると・・・・ 「誰もいねぇ・・・・」 そう、米帝の姿はおろか、村人たちの影すらなかったのです。これはいったいどうした事でしょう。 『現在、キャンプツボイで解放軍が交戦中。援護に向かうように』 援護に行けったってそうそう簡単に移動できないんですが。どうしろと(笑) 「それ、こっちもやり返せぇ!!」 とたんに始まる大乱戦。茂みを挟んでの撃ち合いに、もう何がなんだかわからなくなっています。ときおり聞こえる悲鳴と怒号で、かろうじて戦果らしきものが感じられるのみでした。まぁ、よく見えない中での事なんで、それすら正しい事なのかもわかりませんでしたが・・・・(苦笑)
しかし、少ない人員が散らばっての攻撃では、その効果も知れたもの。各個撃破という当たり前の結果が突きつけられたのでした。 「後退、後退だぁ」 このままではマズイと気づいた我々は、再度態勢を整えるべく茂みの中を駆け戻ります。途中、足を取られて転ぶ者続出だったというのはナイショ事項です(笑) 攻撃あるのみ!! もう体育会系バリバリな、作戦ともいえない、ある種先祖がえりしたかのような代物での攻撃です。といったところで勝算など端からあるわけもなく、結果は一歩進んで数歩逃げるという『スイゼンジ・アタック』といった感じで、攻めているんだか防戦しているんだかわからない状況に陥っていたのでした。これまた当たり前の事なんですがね(苦笑) そんなときでした。かすかに聞き覚えのないエンジン音が聞こえてきたのです。 「何だ?」 耳をそばだてて確認します。フィールドの中を走り回るエンジン音といったら、ひとつしかありません。 「APCだ。対戦車戦闘班、前へ!!」 なぜかにわかに活気付く我ら。RPGを担いだ同志が、ウキウキとステップを踏みながら進んで行きます。そして、堂々と道の真ん中で教本通りの立ち撃ち姿勢で待ち構えます。しかし、ここでひとつ問題がありました。それは、APCがいるのは間違いないのですが、本当にこの前面に現れるかどうかわからないという事なのです(笑) 「くるかな?」 力強くも根拠のない隊長殿の言葉に、ジッと我慢のRPG射手なのでした(笑) 息詰まるような間延びのした時間が過ぎ、エンジン音は近づいてくる気配を感じさせます。しかも、その間なぜかあれほど激しかった米帝の攻撃も影を潜めていたのです。が、実際は攻撃を受けていたのでしょうが『まだまだ平気〜』という状態だったのかもしれません・・・・(苦笑) そして、ついに戦場の女神は我々に気まぐれな微笑みを向けたのですした。 「APC発見!」 茂みの向こう、彼方に緑色の何かが蠢いています。お世辞にも装甲車なんておこがましい、まさにあおりを立てただけのトラック然した物が、米帝兵を満載して進んできたのでした。 「あれがぁ・・・・!?」 見えない、見えない(笑) とはいっても、敵である事にはかわりがありません。だったらイケイケ・ゴーゴー・ジャーンプ!! 狙いを定め、渾身の一打を放ちます。 あたぁ〜りぃ〜 弓道場にいるかのような錯覚を覚える間の抜けた歓声が上がりました。そう、見事に初弾命中。といっても、一発しか撃てないんで初弾以外無いんですがね(笑) どちらにしてもいい腕です。 対するAPCはどうしたかというと、さすがに撃破されては仕方なく、スゴスゴと引き返して行ったのでした。そう、ドリフのコントのように――さすがに周りの兵隊たちが押してはいませんでしたが(笑) 「よーし、この勢いに乗って行くぞぉ!!」 たまたまうまく行っただけのに勘違いした民○党のようなノリで、一斉吶喊をしかけた我ら南越解放同盟軍。しょせん勘違いは勘違い。あっという間も無く米帝という巨神兵の咆哮になぎ払われ、お決まりの玉砕を遂げたのでありました。 あぁ、予定調和だなぁ・・・・(爆笑)
続く・・・・ |
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