−−  序  前  −−

 

あぁぁ、今回は遠かったぁ〜〜 会場も住まいも何も変わってはいないのに、自宅を出てかかった時間は約17時間 ―― ちなみに、自宅は千葉県は山武市。成田まで車で約20分という近さです(笑)
なぜにそんな事態に陥ったのかというと、ある一本の電話が原因でした。

「今度のベトベトだけど、前夜祭から行きたいから、悪いけど駅まで大丈夫かな?」

今回、仲間内で唯一都合がついたメンバーからです。戦力的には自分も含めて屁みたいなものですが、この場合はまず頭数が大事でしょうからね(笑)

「もちろん。こっちもそのつもりだから問題ないよ」
「よかった。じゃ、その日仕事半ドンだから、新幹線飛ばして行くよ」
「へっ!?」

ア ナ タ イ マ ナ ン テ イ イ マ シ タ ?

仕事が半ドン――これはいい。前夜祭は夕方からですから。
新幹線を飛ばして行く――これもいい。そうまでしても参加したいんだもんな。

デ・モ、あなたが住んでいるのはどこですかぁ〜? 東北は奥羽越列藩同盟の中心、旧仙台藩こと宮城県の仙台市じゃありませんか。そこから半ドンで出てくるって・・・・

「東京駅に4時ごろかな。テヘッ」

テヘッじゃねーよっ!! 男がやっても可愛くないんだって!! 東京に4時たぁ、こっちに着くのは何時になるってんだっ!

「まじですか・・・・」

普段はまともに使わず固着してしまっている脳細胞が、不思議とフルパワーで状況解析を成し遂げたのです。

―― どうあがいても間に合わないじゃん ――

何が楽しみって、本番のゲームよりも、前夜祭から酔い潰れるまでなんですから――というのは最高機密にナイショですてども(笑)
自分の都合で無理なら諦めもつきますが、まったく関係ない事ではそうもいってられません。幸い当日は休みという事もあって、暴走を始めた脳細胞が導き出した結果、それが――

「わーった。迎えに行ってやる。仙台までな
「えっ!?」

これには今度は相手が驚いたようです。そりゃそうだ(笑)

そうと決ればのんびりしている訳にもいかず、金曜日の夜に出発となりました。高速を使うのならそんなに早く出る必要もないのですが、時間があるのを幸いと悪い癖が出てしまったのです。
やっぱり、下道の方が楽しいしね
ETCを着けるまでは、どこまで行っても一般道というのが基本で慣れてましたので、その選択には何の躊躇もありませんでした。実際、ちょっとかったるいだけで、高速の何倍も面白いんですけどね。
相手もさすがに気が引けたのか、昼までの予定を繰り上げる事になったのです。これで心配はさらに遠のいたのでした。ああ、よかった。

という事で、千葉県山武市発-仙台経由-佐原行という物凄い行程にあいなったのでした。バカだよな、やっぱり(苦笑)

     
  ●これが証拠

JR南仙台駅入場券です。
日付(左側)と時間(右側)を見て・・・・あぁぁぁぁ(爆笑)

     

行程も天気も問題なく、ほぼ予定どうりに仙台へ到着。相手を拾い上げると、そのままとんぼ返りで佐原を目指します。初めてのインター入口に多少戸惑ってしまったものの、他は何の問題もなし。実に快適なドライブでした。ただ一点を除いて――

「うーん、大丈夫かなぁ・・・・」

唯一の気になる点、それはガソリンの残量でした。計算上ではギリギリ往復できるはずだったのです。

しかし、普段高速道路を使わない悲しさ、話には聞いていても今ひとつ実感がなかったのが敗因でした。かすかに心配はしていたものの、きっと大丈夫だという根拠のない希望にかけてしまったのです。結果は明らかでした。
予定のインターまであと少しというところで燃料計のインジケーターが点灯してしまったのです。途中のサービスエリアで給油をしておけばよかったのですが、そこは妙な意地が働いてオールスルー。ガス欠自体は怖い事ではないものの、さすがに高速上ではシャレになりません。半分青ざめながらひた走ったものの恐怖感に打ち勝てず、かなり手前のインターで降りてしまったのでした。

ひとりチキンレース敗北!(笑)

なんといわれようと、怖いものは怖いんです。せっかく免許証も綺麗なままなんだし。だったらやらなきゃいいってもんですが、そこはそれ、ムチャと冒険を履き違えているバカの一つ覚えという事で(苦笑)

ともかく、エンストの恐怖と戦いながら、一般道をひたすら佐原へと向かいます。時間にして15時過ぎ。何も問題が無ければ間に合うはずの時間です。多少混んではいましたが、大丈夫でしょう。その道すがら燃料備蓄庫も発見し、ゴムホース片手に無事補給する事もできました。(満タンの予定だったはずが、なぜか半タンで終わってしまったという事実はナイショです)

ともかく、移動に関する物理的な問題を克服しましたので、後は時間との勝負です。

よーし、勝った!!

内心勝利の雄叫びを上げながら、お気楽モード全開で進んでいきます。そう、そのままいけば問題なかったんですが・・・・当然、期待通りただではすみませんでした。

ここ、どこっ!?

地図にある号線の道路を進んでいるはずなのに、なぜか目的の場所へとたどり着きません。細い田舎道。目印になるような物などあるわけもなく、わけのわからないまま本能に任せて進むばかりです。
刻々過ぎる時間と進展を見せない状況に、さすがに音を上げそうになったそのときです。奇跡が起こりました。思いもしない場所にたどり着いたのです。

そこぉ〜に行けばぁ〜 どんな夢も叶うというよぉ〜

聞き覚えのあるメロディーと共に、脳裏をゴダイゴとラクダの一団がコサックダンスのステップを踏みながら駆け抜けていきました。そう、現在地を把握する事に成功したのです。

「ライン川は目の前だ!!」

75ミリ砲をぶっ放しつつ早送りで進むチャーフィー戦車のごとく猪突猛進。道路橋が崩壊する前に渡河する事ができたのでした(笑)

私は帰ってきた!

どっかのグラサンオヤジのような心境で、地元の千葉県に戻ってきた事をかみしめます。

でも、昨日の夜までいたんだよな、確か・・・・(笑)

もうここまでくれば後はノープロブレム。見慣れた道をひた走り、いまや定番と化した補給拠点「スーパーうい」で兵糧や燃料を買い込んで、やっとの事で会場へとたどり着いたのでした。時刻は16時半。ギリギリ間に合いました。

受付を済ませ、慌てて露営の準備をしていると、スピーカーからアナウンスが響きました。

「そろそろ前夜祭を始めます。集合してください」

とうとう狂乱の一夜が始まったのです。ええ、本当に大変な一夜でしたとも・・・・(苦笑)

 

続く・・・・

 

 

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