−− 後 編 −− |
昼休みという名の休戦が終わり、午後のゲーム開始となりました。 「まぁ、次の突撃までちょっと休憩しましょ」 おいおい・・・・いま休んでいたばっかりだがね(苦笑)
しかし、次の作戦指示がなかったのも事実のようで、休憩して元気を取り戻したらしい重装備の米帝側は、なにやら盛んに行動を開始していたようです。が、こちらはまったくもってのマッタリモード真っ最中でした(笑) しかし、そんなのんびりモードを吹き飛ばす新兵器が登場したのです。 「あー、共産軍兵士諸君。なぜ戦うのか? 投降したまえ。本部ではすでに君たちの事は見捨てているぞ」 何倍にも増幅された米帝側のプロパガンダ放送です。隊長殿も得意とする(ちょっと違うけど)ものですが、その迫力は雲泥の差でした。そう、相手はマイクを使って放送していたのです。思わず某映画の高倉健の姿が浮かんでしまいました(笑) 「諸君は充分に戦った。これ以上の犠牲者を出す必要はない。速やかに武器を捨てて投降しなさい」 あちこちで交戦音が響く中での投降勧告など、まったく説得力がないんですが・・・・ま、向こうもその気などないと思いますが(笑) とはいえ、執拗に繰り返される放送に、さすがの隊長殿も我慢できなくなりかけていたそのときでした。 「お前たちこそ、我々の国から出て行けっ! ジー・アイ・ダーイッ!!」 我々側からも、同じようにマイクでのアジテートが始まったのです。 もうこうなると、後は泥沼一直線。お互いに罵りあい挑発しあう大舌戦が巻き起こったのはいうまでもありません。もちろん武力衝突は続いていましたが。
「よしっ、人民軍諸君。この隙をついて攻撃しましょう」 作戦指示がきたらしく、隊長殿が各員の間をまわって告げます。 「向かって左の森の中を進みます。静かに、慎重に行きましょう」 と、先頭を切って進んでいきました。
周囲では変らずプロパガンダ合戦が繰り広げられております。お互いの攻撃をそっちに気を取られているようで、上手い具合に我々の方はノーマークに近い状況となったのでした。
膝丈程度の雑草を踏み分け、茂ったブッシュや木々を盾に、少しづつ少しづつ進んで行きます。そうして米帝側の警戒線が見えたと思ったときでした。すさまじい勢いで弾が飛んできたのです。そう、相手が見えるという事は、向こうからも見えるという事なんですね。
相変わらずの見事な失敗ぶりに、そそくさと逃げ戻ったのはいうまでもありません(笑) カルビ村へと戻ってみると、プロパガンダ合戦は相変わらず続いておりました。しかし、ひとつだけ違った点が。米帝側がなぜか片言な英語であるのにもかかわらず、我々の方は 「NOVAがおるっ!?」 それこそネイティブといえる発音でのアジテーションが行われていたのです。 「サンキューッ!!」 ヤケクソとも取れる、見事なカタカナ英語での一撃でした。これには我々も大爆笑。さすがです(笑) しかし、直接関係ないような所はともかく、全体としての勢いが膠着してしまったという感じは否めません。 「隊長、このままじゃラチあきませんよ」 悪い部下に耳打ちされた隊長殿は、一時考え込んだような様子を見せました。が、何を思いついたのか、すぐにスタスタと前線まで進んでいったのです。そしてひとこと。 「米帝の諸君。私は人民軍部隊隊長だ。ここに隊長同士、ハンドガンのタイマン勝負を所望する。応じられる勇者はいるかっ」 おいおい。隊長自ら一騎射ちとは・・・・当然、黙殺されるものと思ったのですが、米帝にも漢はおりました。 「私がお相手いたそう」 なんだかお互いに時代劇じみた展開となりつつありましたが、どうにか成立したようです。 「では、3−2−1 ゴーッ」 合図と共に身を躍らせる二人。ギャラリーは暗黙の了解で休戦し、状況を眺めています。
それでもがんばる二人。が、先に音を上げたのは我らが隊長殿でした。 「弾ぁ切れたぁ〜〜〜っ」 慌てて逃げ出します。当然、米帝側はチャンスとばかりに追撃を始めます。が、そのときでした。 パラララパラララパララララララ 軽快な連射音が響いたかと思うと、米帝の漢がその場に倒れ込んだのです。一騎討ちを知らない同志が、隊長殿の危機を救わんと取った英雄的な行為でした。彼は悪くありません。むしろ賞賛されるべきです。しかし、舞台が悪かった。なにせ、その状況を目の当たりにした我々すら 「きったねぇ・・・・」 と思ってしまったのですから。やられた本人の悔しさといったら、我々には思いはかる術もありません。
「しょうがねぇ、やっちまえーっ!!」 勝負の行方を眺めていた我々ギャラリーも、呼応するように雄叫びを上げながら、一斉突撃をかましたのでした。もうメチャクチャ(笑)
「我々の意思の勝利だな。でも、オレ撃てなんて指示してないよ。ホントだよ」 苦笑いしながら隊長殿が首を振っておりました。 そうして、再びカルビ村へと戻ってみると、米帝の一小隊が自主投降している場面に出くわしました。彼らいわく、 「何かイベントがあると・・・・それが楽しみ」 午前中のサンチェ村での大暴走が米帝側で知れ渡ったようで、好き者な一団の登場となったようです。いいですよぉ〜心から歓迎いたします(笑) もう真面目に戦っている同志などすっかり忘れて、ひたすらバカネタ一本道です。
そんな事をしているうちに時間も押し迫り、残すところ後わずかとなったのでした。 続く・・・・ |
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