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「まずは、カルビ村の同志農民を脅かしている、米帝勢力を排除する」

号令一過、隊長殿を先頭に出撃です。
作戦としては、解放軍勢力が迂回攻撃を仕掛けるのに呼応しての挟撃ということです。方法としてはいいと思うものの、実際そんなにうまく行くんでしょうか、不安です・・・・いったためしないからなぁ・・・・(苦笑)

そんな不安は、大泉の母も真っ青なくらいの確率で、すぐに現実のモノとなったのです。

「なんだぁ、こりゃ?」

出入り口を左に曲がっての一本道。そこを使わなければ動けないのですが、まるで米帝が仕掛けたかのようなトラップがあったのです。大きな倒木。それが完全に道を塞いでおりました。確かに前回もありましたが、今回は本数が増えているような・・・・気のせいでは ―― 無いですね。

工兵隊を呼べ。爆砕処理だ
いるわけないでしょ、そんなモンッ!!

当然といえば当然ですが、我々はそこを乗り越えていかなければならないのであります。まぁ、いまはまだ元気なのでよいのですが、後々の事を考えると頭が痛い。いや、頭よりも股の方が辛いかも。一歩では跨げない代物なんで(笑)

なんてバカはおいといて、半ばよじ登るように乗り越えると、もう後は勢いに任せての突進あるのみ! でした。が、けっこう高齢な人達が多いため、すぐにへばってしまうのが玉に瑕(笑) 
しかし、最初は勢いが肝心だと、体力はもちろんの事、状況すら顧みずに突っ込んで行くと ―― やはり迷いました(苦笑) 一本道なので迷うはずがないのですが、やはり距離が遠いというのも有効な防御手段ですなね。アルンヘムへ向かう第一近衛機甲師団の気持ちがわかったような気がします。彼ら敵側ですけど(笑) 
やはり、道の傾斜は、わかっていてもキツイですねぇ。

「い、いまどの辺?」

もう肩で息をしながら、何本目かの分岐点で現在地を確認します。地図によればもうそろそろのはずなんですが・・・・

「あ、あった」

声のする方に目を向けると、道を伝った木々の向こうに、なにやら場違いなほどに青い物が見えました。そうカルビ村です。

「米軍の姿は?」
「それらしいのはチラホラ見えま・・・・」

曲がり角に隠れながら様子をうかがっていたときでした。

     
  ●問題の交差点

あまりの見通しのよさに、さすがに警戒しますが・・・・

     

うぎゃぁ〜
「!?」

いきなり悲鳴が響いたのです。続けざまに飛んでくる弾。事態を確認する間もありません。慌てて身を伏せますが、たちまちのうちにあふれかえる被弾者達。奇襲をかけるつもりが、逆に待ち伏せの真っ只中に飛び込んでしまったようです。

バクシィ〜

おか〜ちゃぁ〜ん!

天皇陛下バンザーイ!!(!?)

あちこちで起こる救助の叫びに、救護兵が飛び回り手当てをする中、我々は残存兵力で攻態勢を立て直して攻撃再開です。

     
  ●あっという間に

この始末(苦笑)

よく見ると、一番奥でやられてるのは隊長殿だったりして(爆笑)

     

通り向こうの藪の中からも攻撃を受けているため、一気に通りを攻め上るという事は難しい。手前の藪の中を進んで行くというのが正攻法でしょう。
しかし、ここはあえて通りを突き進んで行くのが漢。正攻法は真面目な人に任せると、飛び出すタイミングをうかがいます。豊富な物量に物をいわせてなのか、米帝の攻撃はいっこうに弱まる気配を見せません。

待ってられるかぁ〜

ムボーにも通りへ飛び出してみるものの、手荒い歓迎が行く手を阻みます。慌てて近くの茂みの影へと飛び込む始末。しかし、そこで諦めないのがやっぱり漢。飛びくる弾をかいくぐりながら、海上ならまるで広瀬中佐だといわんばかりに、ジワリジワリと進んでいきます。
その頃には、茂みの中を進んでいった連中も攻撃位置に着いたのか、前方から撃ち合う音が聞こえてきました。

     
  ●迂回したはずが

元気に、勢いよく進んで行きます。
結果は直進よりも ―― でしたらしいですが(笑)

     

「チャーンスッ・・・・!?」

多少攻撃の薄くなったその瞬間、ここぞとばかりに飛び出します。が、とたんに半身に感じる激痛。思いもしない横手の茂みからでした。そういえば、いたんだよなぁ確か・・・・
撃たれた勢いでヨロヨロと通りの中へよろめくと、今度は真正面からの雨のような攻撃です。もう痛いをとおり越して、悲鳴すら上げる気力も起こりません。思わず畑中洋子の迷曲のフレーズが脳裏に浮かびます。

―― 後から前から どうぞ。後から前から どうぞ・・・・ ――

なんてこと考えたところで、蜂の巣になれば即死は必定。スゴスゴと戻って行くしかありません。しかし、思い切り撃たれるのって気持ちいいんだよねぇ〜(苦笑)

そのときでした。

て、撤収〜〜

あまりにも甚大な被害に、とうとう撤退命令が出されました。そりゃ、半分以上転がっちゃえば仕方ないよなぁ。
ものの見事に作戦は失敗。まぁ、これは予定通りといえない事もないんですが・・・・
ダメじゃん(苦笑)

そうして潰走のごとく陣地へと戻ると、メンバーのグチが聞こえてきました。

「せっかく村の直前まで近づいたのに、村にいた子供が居場所教えちゃうんだもんなぁ。味方と違うんかい!!」

あらら、それは災難だった事。じゃ、あのときの音って・・・・(笑)

でも、さすがはヴェトコン子。最狂の名は欲しいままにしてるんですねぇ(苦笑)
でも、頼むから内ゲバだけは止めてちょうだいね。おじさんたち、泣いちゃうから(爆笑)

 

続く・・・・

 

 

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