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何とか帰ってくると、待っていたのは、間髪入れぬ出撃命令でした。 「今回は、直接米帝の本拠地に攻撃をしかける。いま守備が手薄だという情報が入っているから、即時出発!」 なんていったところで話が通じるわけもなく、ロシア仕込み(?)な怪しい言葉を連呼するばかりです。あらゆる意味で間違ってるでしょ、それ(笑) 米帝の居城キャンプツボイは、カルビ村と隣接するかように位置しています。 「慎重に進んで行けよ」 隊長の指示のもと、コソコソと進んで行きます。が、こちらも相変わらず倒木や何やらゴロゴロとしていて、とてもすんなりとは進めないんですけれども。 それでも、どうにか敵陣まで一直線に続く幹線道との交差地点にまでたどり着きました。ここを曲がればすぐ目の前が米帝の陣地ですから、さすがに緊張感が走ります。
そうしてゆっくりと目標に近づいていったときです。目前の木陰で、こちらに背を向けてうずくまっている人影を見つけたのです。 「同志?」 にしては、ずいぶん前に出ています。しかも粋な迷彩服なんか着込んで
―― 敵でした。まさか背中を向けているなんて思いもしないので、むしろこっちが戸惑ってしまったくらいです。 「ヘ〜イ、ホォルドアップゥ〜 ジーアイ」 こことばかり、相手の首筋に銃口を押し付けます。通称「フリーズコール」というヤツですか。 さすがに米帝も事態のおかしさに気づいたらしく、銃を構えてこちらを注視しています。しかし、こちらには人質がいるためか、それとも状況についていけて無かっただけなのか、まったく攻撃はありませんでした。 と本部へ連行しようとしたときです。 「あぁ、ちょっと待て。こっちだ」 後方から別ルートへの指示が飛び、本部とは違った怪しげなバラックへと連れて行く事になったのでした。 「我々は情け深いからな。ご馳走してやる。これを食べたら解放してやるぞ」 そこには、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた同志が、コップを手に現れました。中には何やら得体の知れないゲル状の物体が入っています。気のせいか、漂っている臭いにさえ怪しさが満ち満ちておりました。 「・・・・」 現物を目にして、なおかつその匂いさえ目の当たりにした米帝捕虜は、絶望にも似た助けを求める眼差しを投げかけてきます。が、もちろんガン無視なのはいうまでもありません(笑) 「心配するな、正真正銘の食い物だ。賞味期限はともかく、味と腹の方は保証できんがな。さぁ、ぐっといきたまえ!」 平然と空恐ろしい事をのたまう相手に、さすがに米帝も諦めがついたようです。逃げ道はないと悟ったのか、恐る恐るコップの中身に口をつけ、一気に飲み干したのでした。
「 ○△×■※!? 」 とたんに口の中一杯に広がる異様な味覚。すぐにでも吐き出したいところでしょうが、我々を目の前にしてはそれもできません。そんな事をすれば、より『凄い事するわよ(by 苺)』となるのは明らかでしたから。 「・・・・」 なんとかムリヤリに飲み込んで一安心と思ったのもつかの間、 「リアクションが薄い! もう一回だッ」 なんとも理不尽極まりないダメ出しです。抗議しようにも、そんなもの通じる相手ではない事は明らかなのですから。
「うーん、まぁいいだろう。よし、帰隊を許す。帰っていいぞ」 帰っていいといったって、このままじゃ帰れないでしょうに(苦笑) そうして来た道を戻って行くと、隊長殿をはじめとした他の同志たちが、まだ米帝どもとにらみ合いを続けておりました。 「撃つなぁ〜 撃たないでくれぇ〜」 情けない声を上げながら仲間に懇願します。当然、前線の米帝どもも攻撃などできる根性もあるわけも無く、ジリジリと状況の推移を見守るばかりでした。 こうなると、とたんに本領を発揮するのが我ら正規軍。いつの間にやら隊長殿が前面に躍り出て、得意のプロパガンダ攻勢をかけ始めたのです(笑) 「米帝諸君、我々の寛大な心に感謝して欲しい。捕虜を返還に来たのだからな」 ンなこといったって、後に完全武装の一団を引き連れていては何の真実味もアリャしませんが・・・・(苦笑) 「それ、受け取れ!!」 といって捕虜を突き飛ばすが早いか、手当たり次第の乱射を始めたのでした。当然、続いていた同志たちも、こことばかりに一斉射撃の開始です。 不意をつかれた ―― わけはない米帝は、冷静に反撃してきたのでした。 そりゃそうだわな(苦笑) 待ち構えてる目の前で、想定どうりの行為に及ぶわけですから、何の苦労もありませんわね(笑) マリアナの七面鳥撃ちよろしく、我々は散々に撃ち負かされてしまったのでありました。 うーん、やっぱりこうなんだなぁ、我ら正規軍は・・・・(苦笑) 続く・・・・ |
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